記事一覧

国内で検出されたポリオウイルスワクチン株

2014 年12 月に熊本市で感染性胃腸炎と診断された患者からポリオウイルス1 型ワクチン株が検出された事例の報告がありましたのでお知らせします。
今回、ポリオウイルスが検出された症例は、海外でOPV 接種を受けた後のワクチン株による感染性胃腸炎事例であり、VDPV でもなく、OPV を用いている国々で報告されるワクチン関連麻痺等ポリオ症例でもありません。
今後もワクチン株、VDPV や野生株ポリオウイルスの国内への輸入は想定され、現在国内で定期接種として導入されているIPV の接種率を高く維持し、十分な抗体保有率を保持することが重要と考えられます。
●国内で検出されたポリオウイルスワクチン株について→ファイル 827-1.pdf

感染症法一部改正(H27年1月21日施行分)

感染症法の一部を改正する法律が平成26年11月21日に公布され、平成27年1月21日より施行された改正の概要をお知らせします。
《改正の概要》
●中東呼吸器症候群(MERS)・鳥インフルエンザA(H7N9)
指定感染症の指定が廃止され二類感染症へ追加
● 二類感染症の 重症急性呼吸器症候群の名称及び定義の表現の適正化
(病原体がベータコロナウイルス属SARSコロナウイルスであるものに限る)
●デング熱届出基準一部改正
IgM抗体の検出(ペア血清による抗体陽転又は抗体価の有意上昇)
●鳥インフルエンザ(H5N1)の届出基準に一部改正
検査方法及び検査材料の一部変更
●その他所要の改正

改正内容の詳細や届出基準、発生届については随時更新します。

感染症法 改正

昨今の感染症の発生状況等を踏まえ、感染症に対応する体制を一層強化するため感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の一部を改正する法律案が、11月14日可決、成立し、11月21日公布されましたのでお知らせします。

《改正概要》
●実験により感染させられた動物の獣医師の届出対象からの除外
  (11月14日施行)
●鳥インフルエンザ(H7N9)及び中東呼吸器症候群(MERS)の二類感染症への追加
  (平成27年1月21日施行)
●一類感染症など一部の感染症の患者からの検体の採取等の制度が創設
  (平成28年4月1日施行)

●三種病原体等に該当する結核菌の範囲の見直し
●侵襲性髄膜炎菌感染症及び麻しんの患者を診断した医師の届出方法の変更
●季節性インフルエンザの検体の指定提出機関制度を創設
●結核患者に対するDOTS(直接服薬確認療法)事業の医療機関等への依頼に関する規定等の整備
  (平成27年5月21日施行)
 
詳しくは

中東呼吸器症候群(MERS)について(情報提供)

厚生科学審議会感染症部会において、MERS の感染症法上の位置付け等について議論されました。その結果、
①MERS を二類感染症に位置付ける。
②感染症法の改正までの間、MERS を指定感染症(二類相当)に指定する。
③MERS を検疫感染症に追加する。

こと等が了承されました。
今後、政令が公布されましたら、届出基準等の関係文書とともに改めて通知しますが、指定感染症への指定までの間は、引き続き当該感染症に罹患した疑いのある患者を診察した場合の情報提供をお願いいたします。

感染症集団発生の状況

平成26年 第1週において、インフルエンザ及び感染性胃腸炎による高齢者施設での集団発生の報告を複数受けております。
つきましては、市内における集団発生の状況を、ホームページ上に随時更新していますのでご確認願います。

《掲載先》
和歌山市感染症情報センター トップページ → 感染症発生動向調査
 →感染症集団発生の状況→平成26年 (2014年)  感染症 集団発生の状況

ロタウイルスによる感染性胃腸炎(基幹定点)

感染症法施行規則の一部が改正されましたのでお知らせします。

1.改正の概要
ロタウイルスによる感染性胃腸炎が基幹定点における週報での把握疾患になりました。
なお、小児科定点による感染性胃腸炎の届出については、経年比較等の必要があることから、ロタウイルスによるものと他の原因ウイルス等によるものを区別することなく、感染性胃腸炎としての届出を従前どおり実施します。

2.施行期日
平成25年10月14日  (42Wより実施となります。)

3.その他
今回の改正は、感染性胃腸炎について、現行の小児科定点における届出に加え、基幹定点における、迅速診断キットを用いたロタウイルスによる感染性胃腸炎と診断された症例を届出の対象とすることにより、重症例を中心にロタウイルス胃腸炎の発生動向をより正確に把握するとともに、ロタウイルスワクチン導入の影響を評価することを目的とするものです。これは、これまで外来で行われている感染性胃腸炎に対する総合的な診察に、新たに迅速診断キットの追加的な使用を求めるものではありません。
また、急性灰白髄炎及び結核の届出基準の技術的修正を併せて行われました。

中東呼吸器症候群(MERS)・[MERS(マーズ)コロナウイルス]

新種のコロナウイルスによる感染症の発生について(平成24年9月26日及び平成24年11月30日(症例定義の変更))により、当該感染症に罹患した疑いのある患者を診察した場合について、情報提供をお願いしているところです。
この度、ウイルス分類に関する国際委員会(ICTV)のコロナウイルス研究グループが、本感染症の病原体名を「Middle East respiratory syndrome coronavirus(MERS-CoV)」と命名し、また、世界保健機関(WHO)も同名称の使用を開始しました。これを受けて、今後、厚生労働省では、
当該感染症の病原体名を
MERS(マーズ)コロナウイルス
また、感染症名を
中東呼吸器症候群(MERS)
と呼ぶことに決まりましたのでお知らせします。

なお、引き続き、下記患者を診察した場合は情報提供願います。

■情報提供を求める患者の要件(下記4項目を全て満たす者)
・38℃以上の発熱と咳を伴う急性呼吸器症状があること
・臨床的又は放射線学的に実質性肺病変(例:肺炎又はARDS)が疑われること
・発症前10日以内にアラビア半島又はその周辺諸国への渡航又は居住歴があること
・ただし、他の感染症によること又は他の病因が明らかな場合は除くこと

腸内細菌科のカルバペネム耐性菌

最近、海外からの腸内細菌科の新型のカルバペネム耐性菌の輸入事例が報告されております。現在のところ、これらの耐性菌が国内で広がっている状況ではありませんが、輸入例を端緒に国内で感染拡大が起こらないよう、院内感染対策を実施することが重要です。
海外の医療機関において入院治療を受けていた患者を受け入れる際には各種の耐性菌のスクリーニングを実施するなど、特段のご留意いただき、カルバペネム耐性菌等が入院患者より分離された際は下記Q&Aを参考に適切な院内感染対策を講じるとともに、アウトブレイクが疑われる場合は速やかに報告お願いいたします。

米国CDCが警告を発したカルバペネム耐性腸内細菌(CRE)に関するQ&A

五類感染症 追加疾病及び変更

感染症法施行規則の一部を改正する省令が公布されましたので、お知らせいたします。
《改正の概要》
■新たに追加された疾病
侵襲性インフルエンザ菌感染症 【5類感染症 全数把握疾患】
侵襲性髄膜炎菌感染症      【5類感染症 全数把握疾患】
侵襲性肺炎球菌感染症      【5類感染症 全数把握疾患】

■削除された疾病
髄膜炎菌性髄膜炎 【5類感染症 全数把握疾患】

■変更された疾病
細菌性髄膜炎
(髄膜炎菌、肺炎球菌、インフルエンザ菌を原因として同定された場合を除く。) 【5類感染症 定点把握疾患】

■その他
麻しん対策について、「麻しんに関する特定感染症予防指針」が改正され、平成25年4月1日より適用されます。届出様式において、臨床診断後に原則として検査診断を行うこととし、麻しん患者か否かを、より精緻に判断出来るように変更されました。
このほか、E型肝炎のIgA検査等、最近の知見から診断方法として認められると判断された検査方法、検査材料等について、追加・修正され、下記疾病の届出基準や届出様式が変更となります。

《届出様式及び基準に一部改正のあった疾病》
2類感染症 : 重症急性呼吸器症候群(SARS)
3類感染症 : 細菌性赤痢
4類感染症 : E型肝炎・Q熱・チクングニア熱・デング熱・日本脳炎・ブルセラ症・
          マラリア・類鼻疽・レジオネラ症
5類感染症 :  ウイルス性肝炎(E型及びA型を除く)
          劇症型溶血性レンサ球菌感染症
          バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌感染症
          バンコマイシン耐性腸球菌感染症

改正後、新届出基準・届出様式はHP掲載予定となっています。

交付日   平成25年3月7日    施行期日 平成25年4月1日

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)

この度、中国において2009年頃より発生が報告され、2011年に初めて原因ウイルスが特定された新しいダニ媒介性疾患「重症熱性血小板減少症候群(Severe Fever with Thrombocytopenia Syndrome: SFTS)」の症例(患者1名:昨秋に死亡。最近の海外渡航歴なし。)が、国内において確認されました。
今後、下記の要件に該当する患者を診察した場合、情報提供いただきますようお願いいたします。
《情報提供を求める患者の要件》
 38度以上の発熱と消化器症状(嘔気、嘔吐、腹痛、下痢、下血のいずれか)を呈し、血液検査所見で血小板減少(10万/mm3未満)、白血球減少(4000/mm3未満)及び血清酵素(AST、ALT、LDHのいずれも)の上昇が見られ、集中治療を要する若しくは要した又は死亡した者。
ただし、他の感染症によること又は他の病因が明らかな場合は除く。

厚生労働省 報道発表資料
■重症熱性血小板減少症候群について→ファイル 545-1.pdf
■重症熱性血小板減少症候群に関するQ&A→ファイル 545-2.pdf
■国内で初めて診断された重症熱性血小板減少症候群患者→ファイル 545-3.pdf