和歌山市感染症情報センター

Wakayama City Infectious Disease Surveilance Center
新型インフルエンザ(医療機関の方へ)
このページは、2009年に発生した新型インフルエンザ(A/H1N1)に関する情報を市民に向けて情報提供のために制作したページです。
新型インフルエンザ発生時の参考資料として当面掲載しているものです。このページ内で「新型インフルエンザ」と記載しているものは、基本的にインフルエンザ(A/H1N1)2009を指しており、掲載している情報も主に発生当時から2011年3月31日までのものであることにご注意ください。
新型インフルエンザを正しく知りましょう
このページで示す新型インフルエンザ(H1N1)は、H21年3月にメキシコを基点に世界的に流行した新型インフルエンザです。当初は季節性インフルエンザに比べ高い重症化率、死亡率が危惧され警戒されていました。H21年8月末に流行の入口に入り、10月末より本格的流行期に入り11月末をピークに緩やかに収束に向かいました。厚生労働省はH22年3月には国内での流行の沈静化を宣言しました。また、WHOは世界的流行状況を「ポストパンデミック」とする旨を声明されました。
しかし、今冬においても、未罹患者を中心に再流行する可能性があり、今後も注意が必要です。
感染を拡げないために、医療機関受診時の適切な行動、感染した人が他の人に感染させない配慮など、感染症から身を守るために、正しい情報をしっかり持ち、適切な予防と行動をすることが大切です。
また、今後、より病原性の高い新型インフルエンザが発生した場合に備えての準備も重要となります。
新型インフルエンザって?どんな症状?どんな感染?
新型インフルエンザとは、動物のインフルエンザウイルスが、人の体内で増えることができるように変化し、人から人へと容易に感染する新しい型のインフルエンザウイルスになり、このウイルスが感染して起こる病気をいいます。
殆んどの人が免疫を持たないため感染が急速に拡大する恐れがあります。
症  状
通常のインフルエンザと同様の症状で、発熱・咳・鼻汁・のどの痛み・全身倦怠感などと言われています。 潜伏期は1〜7日です。 今回の新型インフルエンザは、多くの方が軽症で回復しています。ただし、ハイリスク者では、肺炎などの合併症を併発したり、持病が悪化するなど、重症化することがあるので注意が必要です。
感染経路
感染した人の咳、くしゃみ、つばなどとともに放出されたウイルスを吸い込むことで感染します。通常2mぐらい離れると感染することはないと考えられていますので、症状があれば「咳エチケット」の徹底をお願いします。
また、感染した人のつばやくしゃみのかかった場所にさわった手で口や鼻、目の粘膜に触れることででも感染が拡がるとも考えられます(接触感染)。そのために念入りな手洗いが必要です。
ハイリスク者(重症化しやすい人)
新型インフルエンザのハイリスク者として、次の人たちがあげられます。 この人たちがすべて重症化するわけではありませんが、健常な人に比べ持病の増悪やインフルエンザの重症化につながる危険性があります。
基礎疾患等を持つ人
・慢性呼吸器疾患 (ぜん息・COPD・肺結核 など)
・慢性心疾患    (慢性心不全・先天性心疾患 など)
・代謝性疾患    (糖尿病 など)
・腎機能障害    (慢性腎不全・血液透析患者 など)
・免疫機能不全   (ステロイド内服 など) 
その他
・妊婦
・幼児
・高齢者
新型インフルエンザのみんなでしたい予防対策
市民の皆さまへ

事業者等の方へ
新型インフルエンザにかかったかな?と思ったら
インフルエンザにかかったら!
一般的な注意 自宅療養の期間 重症化のサイン
こども おとな

・呼吸が早い、息苦しそうにしている
・顔色が悪い(土気色・青白いなど)
・おう吐や下痢が続いている
・落ち着きがない、遊ばない、反応がにぶい
・症状が長引いて悪化してきた
・水分摂取ができず、尿が出ない
・ぐったりしている

・呼吸困難または息切れがある
・胸の痛みが続いている
・おう吐や下痢が続いている
・3日以上発熱が続いている
・症状が長引いて悪化してきた

こんな症状がある場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。

インフルエンザ脳症について インフルエンザ脳症は、毎年、季節性インフルエンザで年間100例〜300例報告されています。 また、新型インフルエンザによるインフルエンザ脳症は、10月6日までに、全国で43例が報告されており、今後、小児のインフルエンザ脳症の発症数の増加が危惧されています。

インフルエンザ脳症の早期の症状は、インフルエンザ様症状(発熱等)に加え、
A 呼びかけに答えないなど意識レベルの低下が見られる
B けいれん重積およびけいれん後の意識障害が持続する
C 意味不明の言動が見られる  
などです。これらの症状がみられた場合は、早急に医療機関(小児科)を受診してください。

薬の使用にあたっての注意点 インフルエンザの治療に用いられる薬としては、抗インフルエンザウイルス薬があります。これは、医師がその必要性を判断して処方されます。
その他、インフルエンザウイルスには直接効果はありませんが、解熱剤やインフルエンザに合併する肺炎や気管支炎に対する治療として抗生物質等が使用されることがあります。
それぞれの薬の効果は、ひとりひとりの症状や体調によっても異なり、正しい飲み方、飲んではいけない場合、副作用への注意などがありますので、医療機関、薬局などできちんと説明を受けてください。
なお、いわゆる「かぜ薬」と言われるものは、発熱や鼻汁、鼻づまりなどの症状をやわらげることはできますが、インフルエンザウイルスや細菌に直接効くものではありません。
1. 抗インフルエンザウイルス薬について 抗インフルエンザウイルス薬としては、タミフル(一般名:リン酸オセルタミビル)、リレンザ(一般名:ザナミビル水和物)、シンメトレル(一般名:塩酸アマンタジン)があります。
抗インフルエンザウイルス薬を適切な時期(発症から48時間以内)に使用を開始すると、発熱期間は通常1〜2日間短縮され、ウイルス排泄量も減少します。
なお、インフルエンザの症状が出てから2日(48時間)以降に服用を開始した場合、十分な効果は期待できません。
2. 解熱剤について 解熱剤には多くの種類があります。15歳未満の子どもへの使用を避けるべきものとしては、アスピリンなどのサリチル酸系の解熱鎮痛薬、ジクロフェナクナトリウム、メフェナム酸があります。
他の人に処方された薬はもちろん、本人用のものであっても、別の病気のために処方されて使い残したものを使用することは避けてください。
新型インフルエンザのその他の情報
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