2013年第1〜27週までの和歌山市の発生状況の概要です。
2013年第1〜27週までの和歌山市の発生状況の概要です。
2013年第1〜26週までの和歌山市の発生状況の概要です。
疾患名 | 報告数 | |
三類感染症 | 腸管出血性大腸菌(0-157) | 1 |
四類感染症 | レジオネラ症 | 3 |
デング熱 | 2 | |
五類感染症 | クロイツフェルト・ヤコブ病 | 1 |
後天性免疫不全症候群 | 4 | |
風しん | 163 | |
アメーバ赤痢 | 2 | |
梅毒 | 2 | |
侵襲性肺炎球菌感染症 | 1 |
「感染性胃腸炎」は冬場に流行する嘔吐、下痢を主症状とする代表的な感染症であり、その大半は、ノロウイルスやロタウイルス等のウイルス感染を原因とするものです。 多くの患者は、乳幼児や学童ですが、成人にも見られます。患者発生のピークは例年12月中となることが多く、特に集団発生例の原因の多くはノロウイルスによるものであると考えられています。
ノロウイルス・ロタウイルスによる感染性胃腸炎は、数時間〜数日(平均1〜2日)の潜伏期を経て、嘔吐・嘔気、腹痛・下痢、発熱等が見られます。嘔吐・下痢は1日数回から多いときは10回以上のこともあります。しかし、症状持続期間は数時間〜数日(平均1〜2日)と比較的短く、重症化して長期にわたり入院を要することは少ないです。また、発熱の頻度は高くありません。
ノロウイルスやロタウイルスなどのウイルスは、人の手などを介して、口に入って感染する可能性があります。ノロウイルスの感染経路は、ヒトからヒトへの感染(感染した人の便や吐物に触れた手指を介して口に入る場合・便や吐物が乾燥して、細かな塵として舞い上がり、体内に取り込んでしまった場合)と汚染した食品を介して起こる食中毒(感染した人が十分手を洗わず調理した食品を食べた場合・ウイルスを取り込んだ二枚貝を生または不十分な加熱処理で食べた場合)に分けられます。
乳幼児の集団生活施設である保育所や幼稚園、小児の集団生活施設である小学校等においては、接触感染や飛沫感染等により、集団発生が繰り返されてきているものと推察されます。
2013年第1週32件、第2週85件、第3週75件、第4週85件、第5週82件第6週85件、第7週64件、第8週121件、第9週127件、第10週110件、第11週101件、第12週68件、第13週67件、第14週64件、第15週38件、第16週48件、第17週88件、第18週43件、第19週71件、第20週67件、第21週69件、第22週74件、第23週55件、第24週62件、第25週45件、第26週40件でした。今週は44件(定点あたり4.89)であり、前週より増加しました。
ノロウイルスには、塩素系の消毒剤が有効です。嘔吐物や下痢便の処理は、衛生的に取り扱い、汚れた場所や衣類等は、熱湯や塩素系消毒剤で消毒しましょう。特に、集団生活をされている方は、日頃からの手洗いや便の取り扱いに注意が必要です。
ヘルパンギーナは、「夏風邪」の代表的な疾患です。2〜7日の潜伏期の後、38度以上の発熱、口腔内の水泡や発赤を伴います。通常7日程度で治癒しますが、合併症として、熱性けいれんと、まれに髄膜炎や心筋炎があります。季節的には毎年6〜8月に多く、罹患年齢はほとんどが6歳以下です。
ヘルパンギーナは、咳やくしゃみなどに含まれるウイルスによって感染します(飛沫感染)。また、水疱の内容物や便に含まれるウイルスからも感染します(接触感染)。集団生活で感染拡大する可能性が高い疾患です。学校や保育園、幼稚園など集団生活の機会がある方は、注意して下さい。
水痘ウイルスは、発疹出現の1〜2日前から出現後4〜5日、あるいは痂皮化するまで伝染力があります。季節的には毎年12〜7月に多く、8〜11月には減少しており、罹患年齢はほとんどが9歳以下です。
水痘は、空気感染で、咽頭から水痘帯状疱疹ウイルスが空中に放出され、口腔や鼻粘膜から侵入し感染します。また、接触感染することもあります。発疹が出る数日前からすでに感染性があるため、集団生活で感染拡大する可能性が高い疾患です。
学校や保育園、幼稚園など集団生活の機会がある方は、注意して下さい。
2013年第1週4件、第2週15件、第3週10件、第4・5週は6件、第6週は9件、第7・8週6件、第9週12件、第10週20件、第11週16件、第12週31件、第13週15件、第14週14件、第15週11件、第16週6件、第17週7件、第18週4件、第19週10件、第20週29件、第21週8件、第22週20件、第23週22件、第24週9件、第25週14件、第26週4件(定点あたり0.44)でした。今週は8件(定点あたり0.89)で前週より増加しました。
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎は、春から夏、冬季の2つの時期をピークとして流行がみられます。
2013年第1週4件、第2週13件、第3週10件、第4・5週16件、第6週10件、第7・8週8件、第9週21件、第10週9件、第11週10件、第12週14件、第13週12件、第14週10件、第15週8件、第16週6件、第17週10件、第18週3件、第19週8件、第20週6件、第21週12件、第22週5件、第23週9件、第24週5件、第25週8件、第26週10件でした。今週の報告数は、7件(定点あたり0.78)と前週より減少しました。
マイコプラズマ肺炎は、肺炎マイコプラズマによって起こる呼吸器感染症です。幼児期から学童期によく見られます。感染経路は主に飛沫感染や接触感染といわれています。保育施設や幼稚園、学校、あるいは家庭内などの濃厚な接触で感染します。
和歌山市の患者報告数は、2013年第1週の報告数は1件でした。第2・3週は0件、第4週は1件、第5週以降は0件でしたが、第12週2件(定点あたり0.67)、第14・15・16週1件(定点あたり0.33)の報告がありました。
2012−2013年の報告患者は、10歳未満が全体の約70%を占めています。
近年、薬の効きにくいマイコプラズマの報告も見られます。マイコプラズマ感染症と診断され、治療を開始したにもかかわらず、症状の改善がない場合は、主治医に相談しましょう。
感染を広げないためのポイントは、咳エチケットと手洗いです。咳があるときはマスクを着用しましょう。
麻しん・風しんが、2008年より全数把握疾患となりました。
風しんは、現在、関東地方と近畿地方の都市部を中心に、報告があります。成人男性を中心に感染しており、流行している地域では、学校内・職場・施設内での集団発生や妊婦や妊婦の家族での感染も報告されています。和歌山市内における風しんの報告数は、2012年は、第16週1件、第28週1件、第32週2件、第33週1件、第37週1件、第38週1件でした。2013年は、第27週13件、第26週10件、第25・24週9件、第23週17件、第22週34件、第21週28件、第20週8件、第19週6件、第18週9件、第17週10件、第16週6件、第15週1件、第13週1件、第12週1件、第8週1件の報告がありました。
<和歌山市の状況>
和歌山市内における風疹の報告数は、2008年は、第3週(16歳)、第22週(70歳代)の計2件でした。2009年は、第17週(11歳)1件で、単抗原ワクチン接種済みの方でした。2010年、2011年と報告ありませんでした。2012年は、第16週1件(17歳:女性)、第28週1件(38歳:男性)、第32週2件(22歳:女性, 23歳:男性)、第33週1件(45 歳:男性)、第37週1件(45 歳:男性)、第38週1件(35 歳:男性)の計7件の報告がありました。2013年は、第8週より20〜40歳代の男性を中心に計163件の報告があります。発生状況の詳細はこちらへ。
現在、風疹の報告数は、首都園と近畿地方を中心に報告があります。報告例の年齢・性別の傾向は、成人男性が中心です。女性の報告例をみると、出産年齢とされる年代が7割以上を占めているため、胎児が先天性風しん症候群という病気になる危険性が高くなるため、注意が必要です。
風しんは、発熱、発しん、リンパ節の腫れなどを特徴とする病気です。患者から出る風しんウイルスが口からでるつばなどのしぶきを介して感染します。予防には、ワクチン接種が有効です。
風しんワクチン接種に対する助成制度がスタートしました。詳細はこちらへ。
風しんを疑うような、発熱、発しん、リンパ節の腫れなどの症状がありましたら、早めに医療機関を受診してください。
年齢区分 | ||||||
0-9歳 | 10-19歳 | 20-29歳 | 30-39歳 | 40-歳 | 計 | |
2012年 | 0 | 1 | 2 | 2 | 2 | 7 |
2013年 | 10 | 6 | 50 | 44 | 53 | 163 |
<和歌山市の状況>
2008年は、第10〜46週に計23件、2009年は、第16〜24週に計6件でした。
2010年、2011年、2012年は報告なく、2013年も第27週現在まで、和歌山市内で麻しんの報告はありません。
2011年に関東地方を中心に4月半ば〜5月半ばにかけて麻しん報告数が増加しました。全国の患者の報告は1歳をピークに0〜4歳の小児が最も多いですが、20〜40代の成人患者も40%占めており、子どもだけでなく成人も麻しんに注意が必要です。
<麻しんとは>
麻しんは、麻しんウイルスを原因とする感染症です。典型的には、10日前後の潜伏期を経て発症し、発熱・咳・鼻水・眼脂・結膜充血等のカタル期(2〜4日)、発疹期(3〜5日)、回復期へと続いていきます。感染期間としては、カタル期から発疹後4〜5日までとされています。
<麻しんの診断>
2015年の麻しん征圧を目指して、様々な取り組みが実施されていますが、診断精度をより高めるために、麻しん(疑い)と診断された場合、PCR検査を全例に実施しています。咽頭ぬぐい液、血液及び尿の採取にご協力ください。
<市民のみなさま・特に子育て中の保護者のみなさまへのメッセージ>
麻しんの予防には、予防接種の徹底が何より重要です。【Stop 麻しん・風しん】を参照。お子様が満1歳になりましたら、先ず麻しんワクチン(=麻しん・風しん混合ワクチン)を接種しましょう。また、就学前の1年間の2回目の接種も忘れず受けましょう。
平成20年度から5年間、中学1年生及び高校3年生相当の方も麻しん風しん混合ワクチン接種の対象となりました。対象者の方が接種できる期間は、それぞれ1年間のみです。早めに接種しましょう。
<若年成人の方へのメッセージ>
ワクチン接種率が向上し,罹患者は減ったものの,接種漏れなどで免疫のない人がかかると重症化する恐れがあります。現在の20歳代及び10歳代後半の若年者は、ワクチン接種率が低く、接種者でも接種から10年以上経過すると抗体価が低下している場合があります。接種歴のない方や抗体価が低い場合は、ワクチン接種が必要です。
発熱等の症状があった場合には、早期に医療機関を受診しましょう。