和歌山市感染症情報センター

Wakayama City Infectious Disease Surveilance Center
風しん(3日はしか)
患者の多くは、ワクチン接種率の低い30代〜50代の男性が占めています。
妊婦や妊娠の可能性のある方については、胎児の「先天性風しん症候群」のおそれもあるため、周りの人から感染しないように十分な注意が必要 であり、職場や家庭での感染防止にも注意してください。
 風しんは、ウイルスによって感染します。潜伏期は2〜3週間で、主な症状は、発熱、発疹、リンパ節腫脹です。通常、軽度の発熱とともに発疹が出現します。発疹は顔面から始まり、全身に広がります。リンパ節腫脹は、後頭部、耳後、頸部に目立ちます。
 予後は、一般に良好で4〜5日で軽快しますが、2,000人から5,000人に1人くらいの割合で、脳炎、血小板減少性紫斑病などの合併症が発生することがあります。また、妊娠している女性が感染すると、「先天性風疹症候群」の可能性があります。
 妊娠している女性、特に妊娠初期の女性が風しんを発病すると、胎児も風しんウイルスに感染し、難聴、心疾患、心身発達の遅れなどの障害を出現させる可能性があります。ただし、すべての障害が出現するとは限りません。
 風しんは「風しんウイルス」により感染します。インフルエンザ同様に咳やくしゃみによって、唾液や鼻汁の中に含まれる「風しんウイルス」を自分の身体に取り込むことで感染(飛沫感染)します。
 風しんを発病している人が、他の人に風しんを感染させる可能性がある期間は、発疹の出る前後1週間程度です。
 風疹ワクチンは、1976年(S51)から接種が開始され、 1977年(S52)8月から女子中学生に対する定期接種が始まりました。1989年(H1)4月からは生後12〜72カ月児への麻疹ワクチン定期接種時に麻しん・おたふくかぜ・風しん混合( MMR)ワクチンを選択してもよいことになりましたが、 MMRワクチンはおたふくかぜワクチン株による無菌性髄膜炎の多発により1993年(H5)4月に中止となりました。

1995年(H7)4月に接種対象者が男女幼児へと変更されるとともに、時限措置として、1995年(H7)4月〜2003年(H15)9月にかけて、中学生男女を対象に接種が行われました。さらに、2006年(H18)4月から,、麻しん風しん混合(MR)ワクチンの使用が開始され、同年6月より、それまでの1回接種から1歳児(第1期)と小学校入学前1年間の幼児(第2期)を対象とした2回接種に変更されました。

その後、2007年(H19)から始まった10〜20代を中心とする麻しんの全国的な流行を受けて、2008〜2012年度までの5年間、中学1年生(第3期)および高校3年生相当の年齢の者(第4期)を対象に、2回目の接種機会が設けられました。
2018年(H30)、関東地方を中心に風しんの流行を認めましたが、その患者の中心は30代から50代の男性でした。このうち、昭和37年4月2日から昭和54年4月1日までの間に生まれた男性は、これまで風しんに係る公的な予防接種を受ける機会なく、抗体保有率も他の世代に比べ低くなっているため、2019年度〜2024年度までの6年間、風しんの抗体検査及び抗体価が低い場合の予防接種を盛り込んだ追加的対策が設けられました。

 現在は、主に麻しん風しん二種混合ワクチン(MR)で、1歳の誕生日から2歳の誕生日の前日まで(1期)と小学校入学前の1年間(2期)の2回接種制度となっています。

年齢と風しんの定期予防接種制度

令和6年4月1日現在年齢の今までの定期接種の機会)

年齢 生年月日 男性 女性
1〜5歳

2018年(平成30年)4月2日
〜2023年(令和5年)4月1日

1歳で接種
1回接種
※2回目は就学前に接種予定

6〜23歳

2000年(平成12年)4月2日
〜2018年(平成30年)4月1日

1歳・就学前の接種
2回接種完了

24〜28歳

1995年(平成7年)4月2日
〜2000年(平成12年)4月1日

幼児期・中学1年生で接種
2回接種完了
※2回目の接種率低い

29〜33歳

1990年(平成2年)4月2日
〜1995年(平成7年)4月1日

幼児期・高校3年生で接種
2回接種完了
※2回目の接種率低い

34〜36歳

1987年(昭和62年)10月2日
〜1990年(平成2年)4月1日

幼児期に接種
1回接種のみの可能性が高い

36〜44歳

1979年(昭和54年)4月2日
〜1987年(昭和62年)10月1日

中学生で接種
1回接種のみの可能性が高い

45〜61歳

1962年(昭和37年)4月2日
〜1979年(昭和54年)4月1日

40〜50代で個別接種(1回)
(※風しん抗体価が低い場合のみ)

中学生で
集団接種
1回接種のみの可能性が高い

62歳〜 1962年(昭和37年)4月1日以前 接種していない
 風しんウイルスは非常に小さいので、マスクでの予防は難しくなります。唯一の予防方法は、ワクチン接種によって、風しんに対する免疫を予め獲得しておくことです。今まで風しんにかかったことがなく、風しんの予防接種を受けたことがない人は、予防接種の実施が望まれます。風しんを発症した場合でも、予防接種の有無で症状の重さが異なります。

■風しんの定期予防接種(無料)
1歳のお祝いと入学準備にワクチン接種を!
1期 1歳代(1歳の誕生日から2歳の誕生日の前日まで)
2期 小学校入学前の1年間

※接種対象期間を過ぎると自費接種となりますので、 対象年齢になった時には、ぜひ受けましょう。

和歌山市では妊婦への感染を防止し、「先天性風しん症候群」の発生を予防するため、和歌山市風しん予防対策事業として抗体検査及び予防接種の一部費用助成を行っています。
 
 詳しくは
 風しん予防対策事業のお知らせ

 医療機関を受診して診断を仰ぎましょう。明らかな風しんの症状がある場合にはもちろんですが、周囲で風しんが流行しているときに風邪などの症状が出た場合にも、受診前に医療機関に電話等でその旨を伝え、医療機関の指示に従いましょう。風しんに感染している場合は、病院で他の患者に感染させる可能性があります。

和歌山市内の流行状況(風しん)
風しんについて(厚生労働省)
風しんQ&A(国立感染症研究所)
和歌山市における定期予防接種
風しん予防啓発ポスター
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