和歌山市感染症情報センター

Wakayama City Infectious Disease Surveilance Center
マイコプラズマ肺炎
マイコプラズマ肺炎は1年を通じてみられ、冬にやや増加する傾向があります。過去には、昭和59(1984)、昭和63(1988)年に比較的大きな流行があったほか、平成12(2000)年以降は徐々に患者数が増加傾向にあります。平成23(2011)年は夏頃から患者数の増加が報告され、増加した理由はよくわかっていませんが、過去10年間で最も高い報告数で推移しています。
マイコプラズマ肺炎は、「肺炎マイコプラズマ」という細菌に感染することによって起こる呼吸器感染症です。
小児や若い人の肺炎の原因としては、比較的多いものの1つです。
例年、患者として報告されるもののうち約80%は14歳以下ですが、成人の報告もみられます。
患者の咳のしぶきを吸い込んだり、患者と身近で接触したりすることにより感染すると言われています。
家庭のほか、学校などの施設内でも感染の伝播がみられます。感染してから発症するまでの潜伏期間は長く、2〜3週間くらいとされています。
発熱や全身倦怠感(だるさ)、頭痛、痰を伴わない咳などの症状がみられます。咳は少し遅れて始まることもあります。咳は熱が下がった後も長期にわたって(3〜4週間)続くのが特徴です。多くの人はマイコプラズマに感染しても気管支炎ですみ、軽い症状が続きますが、一部の人は肺炎となり、重症化することもあります。一般に、小児の方が軽くすむと言われています。
感染経路はかぜやインフルエンザと同じですので、普段から、手洗いをすることが大切です。
また、患者の咳から感染しますので、咳の症状がある場合には、マスクを着用するなど咳エチケットを守ってください。
抗菌薬(抗生物質)によって治療します。抗菌薬のうちでも、マイコプラズマ肺炎に効果のあるものは、一部に限られています。近年、マイコプラズマ感染症に通常使用される抗菌薬の効かない「耐性菌」が増えてきているとされていますが、耐性菌に感染した場合は他の抗菌薬で治療するなどします。軽症ですむ人が多いですが、重症化した場合には、入院して専門的な治療が行われます。
長引く咳などの症状があるときは、医療機関で診察を受けるようにしましょう。 (注)マイコプラズマ肺炎は、マクロライド系などの抗菌薬で治療されます。
このページは厚生労働省「マイコプラズマ肺炎にするQ&A」(平成23年12月)に基づき作成しています。
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