インフルエンザの原因となるインフルエンザウイルスは、A型、B型、C型に大きく分類され、このうち大きな流行の原因となるのはA型とB型です。A型には、多数の種類がありますが、現在、人への感染を繰り広げているのがH1N1とH3N2の2種類です。
鳥インフルエンザH5N1については、時には人に感染することが確認されている動物(主に鶏や家禽)のインフルエンザウイルスです。このようにインフルエンザウイルスは、通常人に感染するものと、通常動物(鶏や家禽類)に感染するものに大別できます。
平成25年4月1日WHOが中国でヒトへの感染があったことを初めて公表した、今回見つかった鳥インフルエンザA(H7N9)は、今までヒトに感染することが知られていなかったウイルスです。感染経路はまだわかっていませんが、現時点では、中国政府の調査では、ヒトからヒトへの持続的な感染は確認されていません。
■海外に渡航される方は
WHOは、今回の状況に関して、渡航や貿易などの旅行制限は推奨していませんが、海外旅行では、渡航先と日本との時差・気温差、長時間にわたる飛行、現地でのハードスケジュール、飲食などの影響により、体調を崩す要因が多くあります。滞在中は大丈夫でも、帰国後に体調を崩される場合もあるでしょう。
鳥インフルエンザの感染を予防するために注意すべきこととしては、
●不用意に鳥や動物に近寄らない。
●不用意に鳥などを飼育している農場や市場へ近づかない。
●積極的に手洗いを行う。
●発熱や咳などインフルエンザ様の症状が出た時は、マスクを着用し、現地の医療機関を受診する。
など、海外滞在中に感染症にかかることなく、安全で快適に旅行し、帰国することができるよう心がけましょう。
また、中国の発生地域からの到着時に発熱などの症状がある場合は、検疫所へ相談してください。
帰国後10日以内に発熱などの症状がある場合については、必ず保健所へ相談してください。
海外で注意すべき感染症
■国内では
現在、国内での感染は認められていません。また、感染源やと感染経路についても不確定ですので、感染全般を防ぐために基本的な対策に従うことが賢明です。インフルエンザ対策としては「
手洗い」の励行や「
咳エチケット」などがあります。
インフルエンザウイルスはよく調理された食品からは感染しません。なぜならば、インフルエンザウイルスは通常の加熱調理温度では(食品の全ての部分で70℃に達する、ぐつぐつ煮る、ピンク色の部位がない)で不活化するので、家禽や狩猟鳥を含み、適切に準備され、調理された肉を食べることは安全です。
鳥インフルエンザが発生している地域でも、適切に調理が行われ、食事の準備が適切に行われていれば、肉製品は安全に食べることができます。生の肉や、未調理の血液を用いた料理の摂食は、高いリスクとなりますのでお勧め出来ません。また、病気の動物や病死した動物を食べてはいけません。