海外で注意すべき感染症
海外旅行には、渡航先と日本との時差・気温差、長時間にわたる飛行、現地でのハードスケジュール、飲食などの影響により、体調を崩す要因が多くあります。 滞在中は大丈夫でも、帰国後に体調を崩される場合もあるでしょう。
海外滞在中に感染症にかかることなく、安全で快適に旅行し、帰国することができるよう、海外で注意すべき感染症及びその予防対策について情報提供します。
海外滞在中に感染症にかかることなく、安全で快適に旅行し、帰国することができるよう、海外で注意すべき感染症及びその予防対策について情報提供します。
感染症に備えましょう
旅行前
- 渡航先でどんな感染症が流行しているか調べましょう。
→ 厚生労働省検疫所ホームページ - 予防接種で防ぐことができる感染症を確認しましょう。
種類によっては、数カ月かかる場合もあります。余裕をもって相談しましょう。 - 虫除けや服装など感染を防ぐ持ち物を確認しましょう。
- 体調が悪いと抵抗力が落ちることから、出発前から体調を整えておきましょう。
- 出発前から体調が悪いと抵抗力が落ちることから、出発前から体調を整えておきましょう。
- 予防接種で防げる病気は、接種を検討しましょう。
旅行中
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食品・水
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飲料
水は必ず沸かして飲むか、ミネラルウォーターを飲みましょう。 -
乳製品
搾りたてのミルクやお手製の乳製品を口にするのはやめましょう。 -
野菜
生野菜は避け、火を通したものを食べましょう。 -
果物
皮をむいてすぐ食べましょう。
長時間放置されていると思われるカットフルーツ等は食べないでおきましょう。 -
魚介類・肉類
充分に火の通ったものを、熱いうちに食べましょう。生や半生は避けましょう。
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蚊・昆虫
蚊に刺されないようにしましょう。
虫除け剤や蚊取り線香を積極的に利用し、長袖や長ズボンの着用を心がけてください。 -
動物
動物(特に野生動物)はどのような病気を持っているかわかりません。
むやみに動物に触るのはやめましょう。 -
人
食事前、トイレ後等は手洗いをしましょう。 -
性行為
不特定の人との性交渉は避けましょう。
性交渉をもつときはコンドームを正しく使用しましょう。 -
寄生虫
川や湖、沼などの水辺には寄生虫が見られます。
淡水での遊びやスポーツは、注意しましょう。
帰国後
検疫所で健康相談を受け付けています。マラリアやデング熱などの検査も行うことができますので、積極的に利用してください。
かかってもすぐに症状が現れるとは限りません。帰ってしばらくしてから具合が悪くなることもあります。熱や下痢など具合が悪くなってきたら、速やかに医療機関を受診するか、検疫所や保健所に相談してください。
その際には、旅行先や滞在期間、飲食状況、渡航先での職歴、家畜や動物との接触の有無などについて必ず申し出てください。
検疫所で健康相談を受け付けています。マラリアやデング熱などの検査も行うことができますので、積極的に利用してください。
かかってもすぐに症状が現れるとは限りません。帰ってしばらくしてから具合が悪くなることもあります。熱や下痢など具合が悪くなってきたら、速やかに医療機関を受診するか、検疫所や保健所に相談してください。
その際には、旅行先や滞在期間、飲食状況、渡航先での職歴、家畜や動物との接触の有無などについて必ず申し出てください。
海外で注意すべき感染症
食べ物・水から感染する感染症
食べ物等からうつる病気は下痢を起こすものが主ですが、A型・E型肝炎のように下痢が主症状でない疾患もあります。生水、氷、サラダ、生鮮魚介類、肉類等の十分に加熱がされていない物の飲食は避けましょう。
蚊やダニ等から感染する感染症
日本での発生は少ないものの、動物や蚊・ダニなどが媒介する病気は、海外で流行している地域もあり注意が必要です。渡航先(国および地域)や渡航先での活動によって、感染する可能性のある感染症は大きく異なりますが、世界的に蚊を媒介した感染症が多く報告されています。特に熱帯・亜熱帯ではマラリア、デング熱、チクングニア熱などに注意が必要となります。虫除け剤や蚊取り線香を積極的に利用し、長袖や長ズボンの着用を心がけてください。
ジカウイルス感染症
中南米を中心に、ジカ熱の感染が多数報告されています。ジカ熱はデング熱などと同様に蚊が媒介して感染します。また、ジカ熱は感染しても症状がないか、症状が軽いため気付きにくいこともあります。
現在、日本国内でのジカ熱の感染は報告されていませんが、今後、中南米など現在ジカ熱が流行している地域に渡航される予定の方々は、現地において、蚊に刺されないよう予防対策に努めてください。また、妊婦の方は、流行地域への渡航について慎重に検討ください。
動物から感染する感染症
日本での発生はありませんが、現在海外で発生し、人に対し重篤な症状を起こす感染症に注意が必要です。- 狂犬病
感染動物(犬、キツネ、アライグマ、コウモリ等)に咬まれることによって感染し、長い潜伏期の後に発症します。発症してしまうと有効な治療法はなく、ほぼ100%死亡します。動物(特に飼い主のわからない動物)との接触を避けてください。 狂犬病流行地で動物に咬まれたら、すぐに傷口を石けんと水でよく洗ってください。また、できるだけ早く現地の医療機関を受診し、傷口の消毒や狂犬病ワクチンの接種を受けましょう。帰国時には検疫所に申し出て、指示を受けてください。
- 鳥インフルエンザ
H5N1亜型の鳥インフルエンザウイルスを病原体とする鳥インフルエンザは、東南アジアを中心に家きん(ニワトリ、アヒル)で発生しています。 人への感染は稀ですが、感染した場合、重篤な症状となることが多いため、むやみに鳥に近づかないようにしてください。また、手洗いうがいを実施しましょう。 - 中東呼吸器症候群(MERS)
MERSは、ヒトへの感染源として、ヒトコブラクダが有力視されています。また、ヒトからヒトへの感染は、主に飛沫感染であることが知られており、持病のある人は重症化しやすいとも言われています。現地で感染が疑われる人との接触、ラクダとの接触やラクダの未殺菌肉・乳などの摂取は、感染するリスクがあるので、避けてください。
人から感染する感染症
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麻しん
麻しんウイルスがヒトからヒトへ空気感染や飛沫感染、接触感染することによって引き起こされる感染症です。その感染力は極めて強く、近年、海外における感染が疑われる輸入例の報告が多くなっています。
予防には予防接種が有効ですので、接種歴のない方は麻しん予防接種をすることをおすすめします。
また、麻しん予防接種は定期接種として、公費(無料)で受けられる時期があります。対象時期の方は、この機会に接種しましょう。
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エムポックス
アフリカを中心に発生していましたが、ここ数年、ヒトからヒトへの感染事例が世界的に散発しています。性的接触等による皮膚病変への接触や、飛沫感染等が感染経路と考えられており、従来は男性が多いとされていましたが、ここ最近は女性や小児の感染事例も報告されています。症状のあるヒトの飛沫・体液等との接触を避けてください。
また、げっ歯類等の哺乳類とのむやみな接触を避け、野生の狩猟肉を食べないようにしてください。
性行為により感染する感染症
旅行中は非日常のためか、さまざまな誘惑に対して無防備になりがちです。不特定の人との性交渉は避けましょう。また性交渉をもつときはコンドームを正しく使用してください。 感染したかもしれないと思ったら…検査を受けましょう。検査により早期に診断することが重要です。 保健所ではHIV抗体検査を無料・匿名で実施しています。ただし感染の可能性のあった日から3カ月過ぎなければ、抗体価が上昇していないため、正しい検査結果が得られません。3カ月を経ずに検査を受けた場合は、再検査が必要です。 和歌山市でのHIV抗体検査
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