和歌山市感染症情報センター

Wakayama City Infectious Disease Surveilance Center
海外で注意すべき感染症
海外旅行には、渡航先と日本との時差・気温差、長時間にわたる飛行、現地でのハードスケジュール、飲食などの影響により、体調を崩す要因が多くあります。 滞在中は大丈夫でも、帰国後に体調を崩される場合もあるでしょう。
海外滞在中に感染症にかかることなく、安全で快適に旅行し、帰国することができるよう、海外で注意すべき感染症及びその予防対策について情報提供します。
海外へ渡航される皆様へ(厚生労働省ホームページ)
1. 感染症に備えましょう!

[1] 出発前
 ・渡航先でどんな感染症が流行しているか調べましょう。 → 厚生労働省検疫所ホームページ
 ・予防接種で防ぐことができる感染症を確認しましょう。  種類によっては、数カ月かかる場合もあります。余裕をもって相談しましょう。
 ・虫除けや服装など感染を防ぐ持ち物を確認しましょう。
 ・体調が悪いと抵抗力が落ちることから、出発前から体調を整えておきましょう。

[2] 旅行中に注意する事
旅行前 出発前から体調が悪いと抵抗力が落ちることから、出発前から体調を整えておきましょう。
予防接種で防げる病気は、接種を検討しましょう。
旅行中 食品・水 飲料 水は必ず沸かして飲むか、ミネラルウォーターを飲みましょう。
乳製品 搾りたてのミルクやお手製の乳製品を口にするのはやめましょう。
野菜 生野菜は避け、火を通したものを食べましょう。
果物 皮をむいてすぐ食べましょう。
長時間放置されていると思われるカットフルーツ等は食べないでおきましょう。
魚介類・肉類

充分に火の通ったものを、熱いうちに食べましょう。生や半生は避けましょう。

蚊・昆虫 蚊に刺されないようにしましょう。
虫除け剤や蚊取り線香を積極的に利用し、長袖や長ズボンの着用を心がけてください。
動物 動物(特に野生動物)はどのような病気を持っているかわかりません。 むやみに動物に触るのはやめましょう。
食事前、トイレ後等は手洗いをしましょう。
性行為

不特定の人との性交渉は避けましょう。 性交渉をもつときはコンドームを正しく使用しましょう。

寄生虫 川や湖、沼などの水辺には寄生虫が見られます。 淡水での遊びやスポーツは、注意しましょう。

[3] 旅行後に気をつけること
帰国後 検疫所で健康相談を受け付けています。マラリアやデング熱などの検査も行うことができますので、積極的に利用してください。
かかってもすぐに症状が現れるとは限りません。帰ってしばらくしてから具合が悪くなることもあります。熱や下痢など具合が悪くなってきたら、速やかに医療機関を受診するか、検疫所や保健所に相談してください。
その際には、旅行先や滞在期間、飲食状況、渡航先での職歴、家畜や動物との接触の有無などについて必ず申し出てください。
2. 海外で注意すべき感染症
海外で注意しなければいけない感染症一覧 (PDF
主な
感染
経路
注意すべき
病気
主な
発生地域
滞在地域 予防方法 主な症状

リゾート
観光地

都市部

地方の
町や村

森林・原野 その他 予防接種 発熱 下痢 その他
食べ物
★ E型肝炎 世界各地 十分火の通った食べ物を食べる
生肉は食べない
    倦怠感、黄疸
(体の皮膚や白目が黄色になる)
★ A型肝炎 世界各地
(特に、水道設備が整っていない地域)
  十分火の通った食べ物を食べる
生水は飲まないようにする
  倦怠感、黄疸
(体の皮膚や白目が黄色になる)
★ 赤痢 世界各地
(特に、水道設備が整っていない地域)
   
ときに血便
激しい腹痛
★ 腸チフス 世界各地
(特に、水道設備が整っていない地域)
   
持続する高熱

便秘になることも
倦怠感、比較的徐脈
(高熱なのに比較的脈が遅い)
★ コレラ 世界各地
(特に、水道設備が整っていない地域)
     
大量の水様便
嘔吐
下痢による脱水
事故
ケガ
★ 破傷風 世界各地 転倒やケガに注意する     飲み込みにくい、しゃべりにくい、
全身けいれん
★ マラリア 熱帯・亜熱帯地域
(アジア、アフリカ、中南米)

夜間

夜間
夜間外出を控える蚊帳の使用
虫除けローションの使用
長袖・長ズボンの着用
予防薬(飲み薬)
高熱・周期的
悪寒, 冷汗
頭痛,筋肉痛
意識障害
★ デング熱 熱帯・亜熱帯地域(アジア、
オセアニア、アフリカ、中南米、中東)

昼間

昼間

昼間
  虫除けローションの使用
長袖・長ズボンの着用
室内での蚊取り線香の使用など
 
高熱
目の奥の痛み
筋肉・関節痛、発疹
■ チクングニア熱 東南アジア、南アジア、
アフリカ、中南米

昼間

昼間

昼間
 
高熱
  頭痛、筋肉痛、倦怠感、
発疹、関節痛、関節のはれ
■ ジカウイルス感染症 アフリカ、東南アジア、
南アジア、 カリブ海諸国、
アメリカ大陸、太平洋島諸国

昼間

昼間

昼間
   
軽度
  発疹、結膜炎、筋肉痛、
関節痛、倦怠感、頭痛
■ 黄熱 アフリカ、中南米  
昼間

昼間

発生地域では必須

高熱
  頭痛、筋肉痛
悪寒、嘔吐
■ ウエストナイル熱 北アメリカ
ヨーロッパ南部
アフリカ、中東、アジア
    頭痛、筋肉痛、倦怠感
■ 日本脳炎 アジア    
高熱
  昏睡(痛みや刺激に反応しない)、
意識障害、頭痛
ノミ ■ペスト アフリカ、アジア、アメリカ大陸   患者や動物(ネズミ、犬、猫)の体液や排泄物への接触を避ける。
肌の露出を避け、虫除けを使う。
    腺ペスト:リンパ節炎、敗血症
肺ペスト:高熱、呼吸器症状
動物 ■ 狂犬病 世界各地
(特にアジア、アフリカ)
        むやみに動物に触らない
予め狂犬病ワクチン接種を受ける
犬等からの咬傷後、ワクチン等による予防的治療
  治癒した受傷部の痛み
知覚過敏
恐水・恐風症状
■ 鳥インフルエンザ アジア、アフリカ     農家、市場、動物園などの鳥類との接触を避ける。手指衛生、うがい   呼吸器症状
■MERS 中東     ヒトコブラクダとの接触、生や加熱不十分なミルクや肉類の摂取を避ける   呼吸器症状
★麻しん 世界各地
(特にアジア・アフリカ・欧州)
   
高熱

乳幼児では多
咳、鼻水、結膜充血、発疹
★風しん 世界各地
(特にアジア・アフリカ)
      発疹、リンパ節腫脹
■ポリオ 中東・アフリカなど     手指衛生 麻痺
■エムポックス 世界各地   接触を避ける     発疹、頭痛、リンパ節腫脹
★新型コロナウイルス感染症 世界各地   マスクの着用、手指衛生 呼吸器症状、倦怠感、
頭痛、消化器症状
沼や
湖河川
■ レプトスピラ症 世界各地       淡水(川や湖)での水浴びを控える     悪寒、頭痛、筋痛
腹痛、結膜充血
■住血吸虫症 アジア、アフリカ、中南米など       下痢(血性)、血尿、
肝臓、脾臓の腫れ
★:最も注意をしなければいけない病気
■:渡航先、活動内容によって注意しなければいけない病気

●:感染する機会が多いので十分に注意
○:感染する機会は少ないが注意が必要
◆:動物と接触する機会の多い場合には十分に注意

手指衛生:手洗い、手指消毒 ●:ワクチンにより予防できる
※予防接種は、渡航期間、地域、活動内容により、医師と相談の上考慮する。
●:よくみられる症状
○:ときにみられる症状


上記表のとおり、渡航先(国および地域)や活動内容によって、感染の可能性は大きく異なりますが、主な感染経路は次のとおりです。
3. その他の情報
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