確実に免疫をつけるには、
麻しん風しん混合(MR)ワクチンの2回の接種が必要です。
麻しんは特別な治療法がなく、感染力も極めて強い重篤なウイルス感染症です。マスクや手洗いだけでは防ぎきれませんが、予防接種が極めて効果的です。1回の接種では免疫がつかなかったり、ついた免疫が持続しないことがありますが、2回の接種で98〜99%のお子さんに免疫がつきます。
病気の説明
麻疹(はしか)
麻しんは「麻しんウィルス」によって引き起こされる病気で、感染の約10日後に、38℃程度の発熱やかぜ症状がはじまり、2〜3日発熱が続いたあと(カタル期)、再び39℃以上の高熱とともに発しんが出現します(発疹期)。時には脳炎を発症するなど重症になることもあります。また、麻しんの感染により、全身の免疫力が低下するため、他の細菌などに感染しやすくなります。このため、肺炎や中耳炎などを合併することもあります。妊娠している方は流産や早産の原因ともなります。
風しん
風しんウイルスの飛沫感染によって起こります。潜伏期間は2〜3週間です。軽い風邪症状ではじまり、発疹、発熱、後頸部リンパ節腫脹などが主症状です。発疹も熱も約3日間で治るので「三日ばしか」と呼ばれることもあります。合併症として、関節痛、血小板減少性紫斑病、脳炎などがあります。
妊婦が妊娠早期にかかると、先天性風疹症候群と呼ばれる病気により心臓病、白内障、聴力障害などの障害を持った児が生まれる可能性が高くなります。
ワクチンと副反応
麻しんウイルス及び風しんウイルスを弱毒化してつくった乾燥弱毒生麻しん風しん混合(MR)ワクチンを使用します。麻しんまたは風しんにかかった方も接種できます。
副反応の主なものは、発熱と発疹です。接種直後から数日中に過敏症状と考えられる発熱、発疹、そう痒感等がみられることがありますが、これらの症状は1〜3日で治癒します。2回目の接種ではその頻度が低く、接種翌日の局所反応が最多です。
まれに、アナフィラキシー、血小板減少性紫斑病、脳炎、けいれんなどが生じる可能性もあります。
ワクチンを受ける時期
1期 |
1歳から2歳の間(1歳になったらできるだけ早く) |
2期 |
小学校就学前の1年間(幼稚園、保育園の年長児で4月1日から翌3月31日まで) |
※中学校1年、高校1年相当の1年間に行っていた予防接種は平成24年度で終了しました。
接種の受け方
医療機関に問い合わせた上で、受診してください。
持ち物:母子健康手帳、予診票(予診票がお手元にない方は、お近くの保健センターまたは保健所で再交付します。母子健康手帳を持参してください。)
実施医療機関一覧(麻しん・風しん)
予防接種を受ける前の一般的注意事項
- 予防接種は、体調の良い時に受けるのが原則です。
- 接種会場での体温が37.5度以上である場合は受けることができません。
- 1か月以内に病気にかかった場合、病気の種類によっては一定の期間あけないと接種できない場合があります。
- 家族やお友達などが感染症(麻しん、風しん、水痘など)にかかっていれば、観察期間が必要なことがあります。
他の予防接種との間隔
注射の生ワクチン(BCG、麻しん風しん、水痘、おたふくかぜ)間のみ、4週間(27日)以上あけてくだ
さい。
参考:公益財団法人予防接種リサーチセンター「予防接種と子どもの健康2024年度版」
一般社団法人日本ワクチン産業協会「2023 予防接種に関するQ&A集」