第16週(4月12日〜4月18日) |
風しんと先天性風しん症候群の予防について 小児科定点からの全国の 「風しん」 患者数は,今年になって一部の地域(群馬県,大分県,鹿児島県,宮城県,埼玉県など)で多く報国されています。全国 3000 の小児科定点医療機関から第 13 週 194 件の報告で感染症法施行以降最高値となり,第 14 週でも 183 人の報国がありました。患者の年齢別では,本年は昨年までと比較して 10~14 歳及び 20 歳以上の割合が明らかに大きくなっています。これらは小児科定点からの報告であるため,実際の成人の風疹罹患数はより多い可能性があります。 一方,ワクチン未接種で罹患したこともない女性が妊娠初期に風疹に罹患したときにウィルスが胎児に感染し,出生児に 「先天性風疹症候群」 を起こすことがあります。この先天性風疹症候群は 「感音性難聴」「白内障または緑内障」「心疾患」 が 3 主徴で,通常妊娠第 16 週までに起ることが殆どです。 感染症法では,「先天性風しん症候群」は全数把握となっていますが,いままで 1 年に 1 例以内だったのが,今年は,すでに 2 例の報告がありました。 現在,和歌山市内では,今年に入って風疹の報告はまだ 1 例もありませんが, 非流行時から妊娠可能年齢の女性の積極的な予防接種が重要です。また,流行阻止のために,男女とも,ワクチン接種歴がなく,罹患もしていない人は,男女とも予防接種(任意接種)を受けることが望まれます。 なお,妊娠可能な女性については,ワクチン接種後2か月間の避妊が必要とされています。 |
咽頭結膜熱 [ 警報継続発令中!! ] |
冬場の流行は少ない「咽頭結膜熱」ですが, H15 年末から引き続き報告があります。第 14 週 8 件,第 15 週 12 件,第 16 週 7 件で,今後ますます増加することも危惧されます。岩出管内でも第 14 週 6 件,第 15 週 3 件で警報が継続しています。
年齢別報告数では, 1 歳から 4 歳の低年齢児での報告が中心ですが,第 15 週,第 16 週とも小学生や中学生での報告もありました。 |
感染性胃腸炎 [ 県内全域で 警報解除! ] |
インフルエンザの流行に伴うように増加した感染性胃腸炎は,第 5 週では昨年より多い 203 件の報告がありピークとなり,第 11 週より減少傾向を示し,第 12 週で警報解除されました。第 15 週で 109 件,第 16 週 115 件の報告で横ばい状態です。例年と比較すると報告数は高めの状況がつづいていますが,増減しつつ徐々に終息に向かっていくものと思われます。 また,年齢別の報告状況は下図のとおりです。 |
感染症対策で最も有効な予防法は予防接種です。 |