和歌山市感染症情報センター

Wakayama City Infectious Disease Surveilance Center


今注目の感染症!       第12週(3月15日〜3月21日)
 


  インフルエンザ  [ 県内全域で流行終息 ]

 和歌山市では,平成 15 年の第 52 週に初めて 1 例の報告があったインフルエンザですが,平成 16 年の第 4 週( 1 月 19 日〜 25 日)に急増し,第 5 週( 1 月 26 日〜 2 月 1 日) 639 件,第 6 週( 2 月 2 日〜 8 日) 640 件とほぼ同数でピークとなり,以後第 7 週から減少し第 12 週では 9 となりました。定点あたりの報告数の推移は下図のとおりです。流行の動きはほぼ例年同様でした。
  県下では,御坊管内と新宮管内で流行の終息がおくれていましたが,第 12 週にようやく全域で警報及び注意報は解除されました。
  病原体情報では,このシーズンで分離検出報告は殆どインフルエンザ AH3N2 型でした。 B 型ウィルスの検出は少数で,和歌山県内では検出報告はありませんでした。




  感染性胃腸炎  [ 市内では警報解除! ]

 インフルエンザの流行に伴うように増加した感染性胃腸炎は,第 5 週では昨年より多い 203 件の報告がありましたが,以降, 160 件以上で増減しておりましたが,第 11 週では 139 件とやや減少,第 12 週で 77 件と減少し,警報は解除されました。
  海南,岩出,御坊管内では警報が継続発令されています。
  感染性胃腸炎関連のウィルスとしては,病原微生物検出情報では,小型球形ウィルス(SRSV)の報告が第 50 週に大きなピークを示し,年明け第 2 週に再び増加しています。また,ロタウィルスは 50 週以降増加傾向にあリました。殆どが A 郡で 5 歳以下の小児科からの検出とのことです。
  【参考】ロタウィルス感染症 Q&A

  また,年齢別の報告状況は下図のとおりです。


  咽頭結膜熱  [ 警報継続発令中!! ]

 冬場の流行は少ない「咽頭結膜熱」ですが,今冬は,昨年末から引き続き報告があります。第 12 週では和歌山市,岩出ともに 1 件に減少しましたが,警報は継続発令されています。
  流行状況は下図のとおりです。




 感染症対策で最も有効な予防法は予防接種です。
 麻しんや風しんは予防接種で感染を予防できます。いずれも満1歳〜満 7 歳6か月になるまでの間にかかりつけ医で接種できます。
 予防接種の接種時期については,最も適切な接種時期として,「標準接種月齢」が示されています。先日,予防接種実施要領が改正され, 麻しんの予防接種の標準接種月齢 が,今までの「生後 12 月から 24 月」から、 「生後 12 月から 15 月(満 1 歳3か月)」 に変更されました。これは,麻しんが 1 歳ごろがもっとも罹患しやすく,かつ重症になるため、満1歳になったら,できるだけ早い時期に予防接種を受けることを推進するためのものです。

  「お誕生日を迎えたら,かかりつけ医で麻しんの予防接種をうけましょう!」

  「麻しん」の予防接種の後は,引き続き「風しん」の予防接種をうけましょう!

 また, 7 歳6か月を過ぎた方でまだ予防接種を受けていない人では,任意接種(有料)になりますが,大きくなってから罹患することを予防するためにも接種することをお勧めします。かかりつけ医にご相談ください。



  高病原性鳥インフルエンザ

 2003 年には,香港,米国,オランダ,ドイツ,韓国で, 2004 年にはベトナムで「高病原性トリインフルエンザ」は発生しています。直近では,ベトナム及びタイ等において,高病原性鳥インフルエンザの感染者及び死亡者が複数でたことで,世界的に注目されています。
  2 月 27 日現在で,タイで確定感染者数が 10 名で,うち死亡例 7 例,ベトナムでは確定感染者数 23 例で,うち死亡者 15 例と極めて高い死亡率を示しています。
  また,日本においても, 1 月 12 日,山口県の農家で飼育されていた鶏から鳥インフルエンザウィルスが分離されました。これは, 1925 年以来のことです。また, 2 月 16 日,大分県で飼養していた愛玩用のチャボが鳥インフルエンザを発症,さらに 2 月 28 日京都府の農場で採卵用鶏での発生があり,必要な検査,疫学調査,消毒,移動制限等が実施されています。現在のところ,接触のあった人においても感染を疑う状況はないようです。
  人における「鳥インフルエンザ」は,「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」において,第 4 類感染症に指定されており,診断した医師は,直ちに保健所へ届出ることが義務化されています。現状では,人から人への感染はないとされています。
  また,鳥等との関係においては,家畜伝染病に指定されており,鳥等で診断された場合は,獣医師は,県家畜保健衛生所に届出ることとなっています。
  なお、この感染症は,飲食によって感染するものではないので,感染した鶏の排泄物などと直接的な接触がない限り,感染することはありません。


 いままで家庭で飼っていた鳥について,過度に不安になる必要はありません。
 異常死した鳥を発見した場合は,決して直接触れることなく,お近くの獣医師に相談するか,県家畜保健衛生所へ相談しましょう。



 「鳥インフルエンザ」のような,動物等と人の両者に共通に感染する感染症を「動物由来感染症」「人獣共通感染症」「 ZOONOSIS (ズーノーシス)」などと呼んでいます。多くの種類の感染症があリ,重要なものは,四類感染症に指定されています。動物等を飼育する場合には,充分な知識と注意が必要です。 日常から,飼育の業務を担当した後は,必ず,手洗いとうがいを励行しましょう!また,必要に応じて,手袋やマスクの着用をしましょう!




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