和歌山市感染症情報センター

Wakayama City Infectious Disease Surveilance Center


今注目の感染症!      第49週(12月1日〜12月7日
 



  咽頭結膜熱
 この夏に、流行した「咽頭結膜熱」ですが、全国では、第 43 週・ 44 週と上昇に転じています。和歌山市でも、第 44 週から毎週報告があり、第 46 週から第 48 週で 4 件から8件と夏の流行期よりも多い報告が続いていましたが, 第 49 週では, 12 件 と増加し, 「警報」 が発令されました。県下では,岩出保健所管内でも 9 件の報告があり,同じく警報が発令されています。和歌山市の 12 件を年齢別に見ると, 1 歳〜 8 歳までの年齢で比較的幅広くみられています。


 感染性胃腸炎

 冬場に流行する感染性胃腸炎は,第4 2 週頃から報告が増減していますが,第 47 週で 90 件,第 48 週で 99 件,第 49 週では 71 件でした。昨年は第 48 週から急増したのに比較すると、今年はまだ顕著な増加は認められていませんが,今後の動向が注目されます。
 
年齢では、乳幼児からおとなまで幅広い年齢で報告されています。特に 1 歳から 6 歳までの幼児の報告数が多くなっています。



 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎

 全国では,第 43 週で,例年より早い報告数が増加が見られ,注目されていました。和歌山市では,第 44 週で 7 件と報告数が増加しましたが、以降第 49 週の 6 件と,横ばい状態が続いています。
  → A群溶血性レンサ球菌咽頭炎



  水痘

 例年冬に報告数が増加する「水痘」ですが、全国では、第 45 週で例年と比較し報告数が多くなっています。
 和歌山市では,ほぼ毎週 5 件以内の報告でしたが,第 48 週では 8 件,第 49 週で 13 件とやや増加の傾向をしめしています。今後増加してくることが予想されます。
 県内では,新宮保健所管内で 20 件の報告があり,「警報」が発令されています。




 この冬, SARS の再流行が危惧されています。
 SARSとの鑑別診断を明確にするためにも,インフルエンザの予防は重要です。
 「手洗いとうがいの励行」,「マスクの着用」は,かぜ,インフルエンザ等の予防に有効です。また, 65 歳以上の高齢者等では,自己負担 1000 円でインフルエンザの予防接種を受けることができます。他の年齢の方は,公費での接種の制度はありませんが,特に人と接する業務に従事している人や,基礎疾患のある方などは、かかりつけ医に十分相談し,予防接種を受けられることをお勧めいたします。




 感染症対策で最も有効な予防法は予防接種です。
 麻疹や風疹は予防接種で感染を予防できます。いずれも満1歳〜満 7 歳6か月になるまでの間にかかりつけ医で接種できます。
 予防接種の接種時期については,最も適切な接種時期として,「標準接種月齢」が示されています。先日,予防接種実施要領が改正され,麻疹の予防接種の標準接種月齢が,今までの「生後 12 月から 24 月」から、「生後 12 月から 15 月(満 1 歳3か月)」に変更されました。これは,麻疹が 1 歳ごろがもっとも罹患しやすく,かつ重症になるため、満1歳になったら,できるだけ早い時期に予防接種を受けることを推進するためのものです。

 「お誕生日を迎えたら,かかりつけ医で麻疹の予防接種をうけましょう!」
 「麻疹」の予防接種の後は,引き続き「風疹」の予防接種をうけましょう!

また, 7 歳6か月を過ぎた方でまだ予防接種を受けていない人では,任意接種(有料)になりますが,大きくなってから罹患することを予防するためにも接種することをお勧めします。かかりつけ医にご相談ください。



 細菌性赤痢と腸管出血性大腸菌感染症

 2 類感染症の細菌性赤痢は,平成 15 は累計 2 件の報告です。いずれも 20 歳代で, 1 名は中国, 1 名はインド旅行からの帰国者です。
インド,東南アジア等からの帰国者に多く見られます。最近中国からの帰国者にも発生があります。潜伏期間は1〜5日,主な症状は粘血便,下痢,しぶり腹,発熱等です。感染経路は経口感染で,食事や水を介して感染します。流行地への渡航時には、飲食物の衛生に十分留意しましょう。

 また,3類感染症の腸管出血性大腸菌感染症は、今年になって累計 8 件の報告となっています。合併症のHUS(溶血性尿毒症症候群)を引き起こすこともあり、感染の予防が重要です。 感染経路はやはり経口感染です。
保健所では,患者発生の届出があると, 2 次感染予防のための保健指導と,感染源調査のための喫食調査等を実施しますが,感染源が特定されないことが殆どですが,やはり、肉や肝の生食は避けるべきでしょう。



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