第46〜47週(11月10日〜11月23日) |
感染性胃腸炎 |
冬場に流行する感染性胃腸炎が和歌山市では第42週で早くも62件と,例年と比較して3倍程度の報告数となりました。以降,第46週まで横ばい状態でしたが、第47週では、90件と今後の動向が注目されます。 年齢では、乳幼児からおとなまで幅広い年齢で報告されています。特に1歳から5歳までの幼児の報告数が多くなっています。 |
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 |
IDWR第43週コメントより・・・「近年、報告患者数の増加傾向にあるが,これは,迅速診断キットの普及による影響もあると思われる。患者報告は,毎年この時期から冬にかけて徐々に増加してくるが,本年は例年より早く報告数が増加しており,第43週では例年より報告数が多くなっている。年齢別では4〜6歳の報告が多い。」 和歌山市でも,第44週,第45週とも7件と報告数が増加しましたが、第46週4件,第47週5件でした。年齢別では,2〜7歳で報告されています。今後の動向が注目されます。 → A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 |
咽頭結膜熱 |
この夏に、流行した「咽頭結膜熱」ですが、全国では、第43週・44週と上昇に転じています。和歌山市でも、第44週から毎週報告があり、第46週では8件,第47週で4件と夏の流行期よりも多く報告されています。 |
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例年冬に報告数が増加する「水痘」ですが、全国では、第45週で例年と比較し報告数が多くなっています。 和歌山市では,ほぼ毎週5件以内の報告が続いています。 |
マイコプラズマ肺炎 |
基幹定点医療機関から報告を受けている「マイコプラズマ肺炎」は、以前は4年周期で流行を迎えていましたが,最近はこの傾向は崩れつつあるようです。年間では、晩秋から冬にかけて増加が見られます。2003年は,5月下旬から6月上旬に報告数が多かったのですが,ここ数週間,全国で、報告数の増加が見られており、この冬の動向が注目されています。 和歌山市では,3か所の基幹定点から報告を受けています。数週間に1件程度の報告が続いています。第38週から41週では報告はありませんでしたが、第42週から第44週で2件,第45週以降、毎週1件の報告が続いています。年齢別にみると,6か月〜1歳未満の乳児が中心ですが、第47週は、40-49歳の1件でした。 この冬は,SARSの再流行が危惧されていますが,SARSとの鑑別診断でインフルエンザやマイコプラズマ肺炎のような呼吸器感染症は重要です。 |
SARSとの鑑別診断を明確にするためにも,インフルエンザの予防は重要です。 手洗いとうがいの励行,マスクの着用は,かぜ,インフルエンザ等の予防に有効です。また,65歳以上の高齢者等では,自己負担1000円で予防接種を受けることができます。また,他の年齢の方は,公費での接種の制度はありませんが,特に人と接する業務に従事している人や,基礎疾患のある方などは、かかりつけ医に十分相談し,予防接種を受けられることをお勧めいたします。 |
感染症対策で最も有効な予防法は予防接種です。 麻疹や風疹は予防接種で感染を予防できます。いずれも満1歳〜満7歳6か月になるまでの間にかかりつけ医で接種できます。 満1歳になったら,できる限り早く麻疹の予防接種を! 引き続き風疹の予防接種を! また,7歳6か月を過ぎた方でまだ予防接種を受けていない人では,任意接種(有料)になりますが, |
細菌性赤痢と腸管出血性大腸菌感染症 |
2類感染症の細菌性赤痢の患者発生がありました。今年になって2例目です。20歳代の男性で,インドへの旅行からの帰国者です。症状は水様下痢と嘔気で比較的軽症です。 インド,東南アジア等からの帰国者に多く見られます。最近中国からの帰国者にも発生があります。潜伏期間は1〜5日,主な症状は粘血便,下痢,しぶり腹,発熱等です。感染経路は経口感染で,食事や水を介して感染します。流行地への渡航時には、飲食物の衛生に十分留意しましょう。 また,3類感染症の腸管出血性大腸菌感染症は、今年になって累計8件の報告となっています。合併症のHUS(溶血性尿毒症症候群)を引き起こすこともあり、感染の予防が重要です。 感染経路はやはり経口感染です。 保健所では,患者発生の届出があると,2次感染予防のための保健指導と,感染源調査のための喫食調査等を実施しますが,感染源が特定されないことが殆どですが,やはり、肉や肝の生食は避けるべきでしょう。 |