和歌山市感染症情報センター

Wakayama City Infectious Disease Surveilance Center
全国的に麻しん(はしか)の感染事例が複数報告されています。
今後、更なる輸入症例や国内での感染が増加することが懸念されています。
かかる前にワクチンを!かかった時にはまず電話!(医療機関受診時に)
かつては子どものうちに「はしか」に感染し、免疫が得られることが多かった病気ですが、予防接種の普及で、自然に感染する子どもの数が少なくなっています。麻しんという感染症は子どもだけでなく、大人にとっても、重症化すると後遺症を残したり、死亡することもある深刻な病気です。 現在、国内で感染する機会は以前に比べ減ってはきていますが、海外渡航中に感染・発症、また日本に戻ってから発症し、他の人へ感染を拡げることも問題となっています。

麻しんは「麻しんウィルス」によって引き起こされる病気で、感染の約10日後に、38℃程度の発熱やかぜ症状がはじまり、2〜3日発熱が続いたあと(カタル期)、再び39℃以上の高熱とともに発しんが出現します(発疹期)。時には脳炎を発症するなど重症になることもあります。また、麻しんの感染により、全身の免疫力が低下するため、他の細菌などに感染しやすくなります。このため、肺炎や中耳炎などを合併することもあります。妊娠している方は流産や早産の原因ともなります。
麻しんは「麻しんウイルス」が空中を浮遊し、それを吸い込むことで感染すること(空気感染)が多く、人から人へと容易に感染します。その他、飛沫感染・接触感染など様々な感染経路があります。感染力はきわめて強く、麻しんの免疫がない集団に1人の発症者がいたとすると、12〜14人の人が感染するとされています(インフルエンザでは1〜2人)。  不顕性感染(感染はしても発症しない=症状がでない)はほとんどなく、感染した90%以上の人が発症します。

発症した人が周囲に感染させる期間は、症状が出現する1日前(発疹出現の3〜5日前)から発疹出現後4〜5日目くらいまでで、学校は解熱後3日を経過するまで出席停止となります(麻疹は、学校保健安全法に基づく第二種学校感染症に指定されており、学校をお休みしても、欠席扱いにはなりません)。なお、感染力が最も強いのは発疹出現前のカタル期です。
麻疹ワクチンは、1978年(S53)から、生後12か月〜72か月未満児に対する定期接種が始まりました。1989年(H1)4月からは麻疹ワクチン定期接種時に麻しん・おたふくかぜ・風しん混合( MMR)ワクチンを選択してもよいことになりましたが、 MMRワクチンはおたふくかぜワクチン株による無菌性髄膜炎の多発により1993年(H5)4月に中止となりました。  
その後、 1994年(H6)の予防接種法改正に伴い1995年(H7)4月から生後12〜90か月未満児(標準として生後12カ月以上36カ月以下)が定期接種対象となりました。
2007年(H19)、10〜20歳代を中心とした麻疹の全国流行を受けて、10歳代への免疫を強化することを目的として、2008年(H20)から5年間の時限措置として、中学1年生(3期)と高校3年生相当年齢者(4期)を対象に2回目のワクチンを原則、麻しん風しん混合(MR)ワクチンで接種することとなりました。  
現在は、主に麻しん風しん混合(MR)ワクチンで、1歳の誕生日から2歳の誕生日の前日まで(1期)と小学校入学前の1年間(2期)の2回接種制度となっています。

年齢と麻しんの定期予防接種制度

令和5年4月1日現在年齢の今までの定期接種の機会)

年齢 生年月日 男性 女性
1歳 2022年(令和4年)4月1日〜
2017年(平成29年)4月2日
1歳で個別接種(1回)
6歳 2017年(平成29年)4月1日〜
2000年(平成12年)4月2日
1歳・就学前の個別接種(2回)
23歳 2000年(平成12年)4月1日〜
1995年(平成7年)4月2日
幼児期・中学1年生で個別接種(2回)
※2回目の接種率低い
28歳 1995年(平成7年)4月1日〜
1990年(平成2年)4月2日
幼児期・高校3年生で個別接種(2回)
※2回目の接種率低い
33歳 1990年(平成2年)4月1日〜
1979年(昭和54年)4月2日
幼児期に個別接種(1回)
44歳 1979年(昭和54年)4月1日〜
1972年(昭和47年)10月2日
幼児期に原則個別接種・40〜50代で個別接種(2回)
(※風しん抗体価が低い場合のみ)
幼児期に原則個別接種(1回)
51歳 1972年(昭和47年)10月1日〜
1962年(昭和37年)4月2日
40〜50代で個別接種(1回)
(※風しん抗体価が低い場合のみ)
1回も接種していない
61歳 1962年(昭和37年)4月1日以前 1回も接種していない
麻しんウイルスは非常に小さいので、マスクでの予防は難しくなります。唯一の予防方法は、ワクチン接種によって麻しんに対する免疫をあらかじめ獲得しておくことです。今まで麻しんにかかったことがなく、合計2回の麻しんの予防接種を受けたことのない人は、予防接種が望まれます。 麻しんを発症した場合にも、予防接種を受けたことがある、ないで症状の重さが異なります。

また、麻しん患者と接触してから3日以内なら、麻しんワクチンで発症を防げる可能性があります。(すでに接種済みの方は必要ありません。) 妊娠中の方は予防接種できません。麻しん流行時は外出を避け感染者に近づかないことが望まれます。

麻しんの定期予防接種(無料)
1歳のお祝いと入学準備にワクチン接種を!
1期 1歳代(1歳の誕生日から2歳の誕生日の前日まで)
2期 小学校入学前の1年間

※接種対象期間を過ぎると自費接種となりますので、 対象年齢になった時には、ぜひ受けましょう。
医療機関を受診して診断を仰ぎましょう。 明らかな麻しんの症状がある場合はもちろんですが、周囲で麻しんが流行しているときに風邪などの症状が出た場合にも、受診前に医療機関に電話でその旨を伝え、指示に従いましょう。 感染している場合は、病院で他の患者に感染させる危険があります。

自宅で負担のかからない生活を送り、発熱が下がってから、4日ほど経過してから外出するようしましょう。(周囲の人に感染させるおそれがありますので注意が必要です。)
麻しん啓発チラシ
和歌山市内の流行状況(麻しん)
麻しん(はしか)に関するQ&A(厚生労働省)
和歌山市における定期予防接種
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