伝染性紅斑斑(リンゴ病)
伝染性紅斑は、ヒトパルボウイルスB19による皮ふの発しんを主症状とする感染症です。両頬に赤い発しん(紅斑)が出ることから「リンゴ病」とも呼ばれる、子どもに多い感染症です
感染すると10〜20日くらいを経て、頬などに蝶の羽のような境界鮮明な赤い発しん(紅斑)が出ます。続いて、体や手・足に網目状やレース状の発しんが広がります。これらの発しんは1週間程度で消失していきます。
特有の発しんが出た状態で感染に気づくことが多いですが、多くの場合、頬に発しんが出現する7〜10日前に、微熱や風邪のような症状がみられ、この時期にウイルスの排出が最も多くなります。発しんが現れる時期にはウイルスの排出量は低下し、感染力もほぼ消失します。
基本的には軽い症状が多く、経過観察を含め、症状に応じた治療となります。
大人では関節痛を伴う関節炎や頭痛などの症状が出ることもありますが、ほとんどは合併症を起こすことなく自然に回復します。ただし、妊娠中又は妊娠の可能性がある方は注意が必要です。
感染した人のだ液や鼻水の中にウイルスが含まれていて、咳のしぶきを吸い込むことによる感染(飛まつ感染)や、感染者と接触したりすることによる感染(接触感染)が知られています。
ワクチンは開発されておらず、ウイルスに対する治療薬もないため、かからないための予防が重要です。
予防のポイント
▽正しい手洗い
▽咳エチケット
症状があるときや外出するときにはマスクを着用すること、流水・石鹸による手洗いをきちんと行うことなどが有効です。
これまで伝染性紅斑にかかったことのない女性が妊娠中に初めて感染した場合、胎児にも感染し、胎児水腫などの重篤な状態や、流産のリスクとなる可能性があります。
かかったかもと思う場合、まずはかかりつけの医療機関に相談してください。
感染しても症状がない場合(不顕性感染)もあるため、周囲に伝染性紅斑の人がいる場合は、妊婦健診の際に、医師に伝えてください。
伝染性紅斑の家族がいる場合や、流行している地域で多くの小児と接する機会がある職業の方などは特に注意が必要です。かぜ症状がある方との接触をできる限り避け、手洗いやマスクの着用などの基本的な感染対策が何より大切です。
みんなで感染対策
伝染性紅斑 厚生労働省
伝染性紅斑とは 国立感染症研究所