2010年度インフルエンザ抗体保有状況調査 速報第1報(2010年12月7日現在)が国立感染症研究所より発表されましたので、お知らせします。
A/H1N1亜型に対する抗体保有率は,10-14歳群(65%)および15-19歳群(65%)で60%以上と高かった。また,5-9歳群(58%),20-24歳群(57%),30-34歳群(41%)は比較的高い抗体保有率であったが,0-4歳群,25-29歳群および35歳から49歳の各年齢群では25~39.5%と中程度の抗体保有率であった。50歳以降の各年齢群は12~23%と比較的低い抗体保有率であった。
[国立感染症研究所コメント]
A型インフルエンザについては5-9歳群から20代前半の年齢群の抗体保有率が他の年齢群と比較して高かった。これは例年みられる傾向であり,これらの年齢群は学校等での集団生活によりインフルエンザウイルスに曝露する頻度が高く,これまでの流行の結果を反映していると考えられた。一方,B型についてはビクトリア系統,山形系統ともに,それぞれ成人層である35-39歳群と20-24歳群に抗体保有率のピークがみられ,A型とは異なる結果であった。この理由については不明であるが,それぞれの系統がいつ,どのような年齢層で流行したか等について,過去の流行状況についても総合的に検討する必要がある。