和歌山市感染症情報センター

Wakayama City Infectious Disease Surveilance Center


今注目の感染症!       第37〜第42週9月6日〜10月17日
 



  咽頭結膜熱  第41週(10月4日〜10日) 流行終息   

 今年は,早期からの流行し,第22週では32件(定点当り3.56)とピークとなりました。以後,第31週まで警報が発令され,以降漸減。夏休み最後の週である第35週に20件と急増し,再び流行が心配されましたが,新学期が始まった第36週は3件,第37週3件,第38週0件,第39週2件で,第40週以降報告がなくなりました。また,県内でもほぼ同様の傾向で,第41週以降県内全域で報告が0となりました。

 流行状況及び年齢別報告数は,下図のとおりです。

 病原体情報では,IDWRによると,年初からアデノウェイルス3型(Ad3)が多く検出されており,次いで,Ad2,Ad1,Ad4,Ad6が報告されています。

和歌山市のおける咽頭結膜熱の流行状況

 厚生労働省へ




 ヘルパンギーナ   目立った流行なし

 「咽頭結膜熱」「手足口病」とともに3大夏風邪のひとつ「ヘルパンギーナ」は,全国的にも和歌山市内でも,5年前(1999年)に大流行しました。ことしは,和歌山市内では,第28週33件(定点当り3.67)がピークで,例年と比較しかなり少ない報告数でした。
  年齢別では,いずれの週も,6-12か月から4歳までの報告が中心でした。

ヘルパンギーナの流行状況




 手足口病 目立った流行なし

 手足口病は,2000年に大流行しました。今年は,例年と比較し,非常に少ない報告数でしたが,第31週・32週に16件と増加,10月に入って再び第41週で14件,42週12件と報告が見られています。

ヘルパンギーナの流行状況




 水痘(みずぼうそう)

 水痘は年によって流行の時期がかなり大きく変動しています。下図は,過去5年平均と比較して今年の流行の状況を示しています。過去5年平均と比較すると,報告数が減少する夏場において,今年は報告がやや増加しました年齢別の報告数をみますと,殆どが就学前の年少乳幼児です。

ヘルパンギーナの流行状況




 流行性耳下腺炎(おたふくかぜ) 岩出,田辺,新宮で流行中,和歌山市内は平年並み
ヘルパンギーナの流行状況

 和歌山市では,ほぼ平年並みの流行状況ですが,第41週には24件と報告数が急増しました。 県内では,岩出管内,田辺管内,新宮管内で警報が発令され,流行が継続していましたが,第38週ごろ一旦流行が終息し,新宮管内で第40週11件(定点当り5.5件),田辺管内で第41週に19件(定点当り4.75)と,再度報告数の増加がありましたが,いずれも翌週には回復していました。




 A郡溶血性レンサ球菌咽頭炎
 過去5年平均と比較して流行状況を見ますと,平均と比較して2004年は第16週から28週にかけてやや報告数が多い状況でいたが、その後漸減し,平年並みとなっています。これから流行するシーズンですので,発生動向に注意が必要です。

ヘルパンギーナの流行状況




  突発性発疹
 多くの乳幼児がはじめてかかるウィルス感染症の代表である突発性発疹ですが,過去5年平均と比較し,次のような流行状況にあります。春から夏にかけ,平均よりやや報告数が多めでしたが,特に目立った流行ではないようです。

ヘルパンギーナの流行状況




 感染性胃腸炎
 冬場に流行する感染性胃腸炎の流行状況は,下図のとおりです。今年は年当初に報告吸うの造花が認められましたが,以降は平年並みです。1月後くらいより,流行の時期を迎えます。

ヘルパンギーナの流行状況




 インフルエンザ

 今年初めての報告が,第42週新宮管内で1件ありました。
  昨年もはじめての報告は,第42週湯浅管内で1件でした。次が,第47週岩出管内で2件,第50週高野口管内1件,田辺管内2件,以降,引き続き報告数が増加しました。




風しんと先天性風しん症候群の予防について

 小児科定点からの全国の「風しん」患者数は,今年になって一部の地域(群馬県,大分県,鹿児島県,宮城県,埼玉県など)で多く報国されています。全国3000の小児科定点医療機関から第20週243件,定点当り0.08人の報告で感染症法施行以降最高値となっています。第20週までの都道府県別累積報告数では,栃木県,群馬県,沖縄県,秋田県,大分県で多く報告されています。
  患者の年齢別では,本年は昨年までと比較して10~14歳及び20歳以上の割合が明らかに大きくなっています。これらは小児科定点からの報告であるため,実際の成人の風疹罹患数はより多い可能性があります。
  一方,ワクチン未接種で罹患したこともない女性が妊娠初期に風疹に罹患したときにウィルスが胎児に感染し,出生児に「先天性風疹症候群」を起こすことがあります。この先天性風疹症候群は「感音性難聴」「白内障または緑内障」「心疾患」が3主徴で,通常妊娠第16週までに起ることが殆どです。
  感染症法では,「先天性風しん症候群」は全数把握となっていますが,いままで1年に1例以内だったのが,今年は,すでに3例の報告がありました。
  現在,和歌山市内では,第18週に今年初めて1件の報告,第29週2件目の報告がありました。年齢は3歳と0-6か月でした。
  非流行時から妊娠可能年齢の女性の積極的な予防接種が重要です。また,流行阻止のために,男女とも,ワクチン接種歴がなく,罹患もしていない人は,男女とも予防接種(任意接種)を受けることが望まれます。
  なお,妊娠可能な女性については,ワクチン接種後2か月間の避妊が必要です。



Stop 麻しん・風しん = 「予防接種」は最も有効で積極的な予防法!!

  感染症対策で最も有効な予防法は予防接種です。
  麻しんや風しんは予防接種で感染を予防できます。いずれも満1歳〜満7歳6か月になるまでの間にかかりつけ医で接種できます。

 予防接種の接種時期については,最も適切な接種時期として,「標準接種月齢」が示されています。先日,予防接種実施要領が改正され, 麻しんの予防接種の標準接種月齢 が,今までの「生後 12 月から 24 月」から、 「生後 12 月から 15 月(満 1 歳3か月)」 に変更されました。これは,麻しんが 1 歳ごろがもっとも罹患しやすく,かつ重症になるため、満1歳になったら,できるだけ早い時期に予防接種を受けることを推進するためのものです。

  「お誕生日を迎えたら,かかりつけ医で麻しんの予防接種をうけましょう!」

  「麻しん」の予防接種の後は,引き続き「風しん」の予防接種をうけましょう!

 また, 7 歳6か月を過ぎた方でまだ予防接種を受けていない人では,任意接種(有料)になりますが,大きくなってから罹患することを予防するためにも接種することをお勧めします。かかりつけ医にご相談ください。




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