和歌山市感染症情報センター

Wakayama City Infectious Disease Surveilance Center


今注目の感染症!       第6週(2月2日〜2月8日)
 


  インフルエンザ

 平成 15 年の第 52 週に初めて 1 例の報告があったインフルエンザですが,平成 16 年の第 4 週( 1 月 19 日〜 25 日)に急増し,第 5 週( 1 月 26 日〜 2 月 1 日)では 639 件,第 6 週でもほぼ同数の 640 件の報告がありました。全国的にも大流行した H15 年では第 4 週にピークを迎え 720 件の報告で、比較すると立上りは遅れたものの、昨年のピーク時を若干下回る報告数となっています。和歌山市,岩出,高野口,新宮,田辺管内で警報が,海南,湯浅,御坊管内では注意報が発令されています。
  市内の小学校,中学校等でも,第 4 週から急速に学級閉鎖が相次ぎ,第 5 週,第 6 週ではピークを迎えましたが,徐々に落ち着きつつあるように思われます。
  学園末,受験のシーズンでもあります。発熱,倦怠感等の体調の変化があったら,早めに医療機関を受診しましょう。また,集団への参加は控えましょう。
  この時期,外出はできるだけ控え,手洗い・うがいの励行,マスクの着用,バランスの取れた食事と充分な睡眠に心がけましょう。



  感染性胃腸炎

 インフルエンザの流行に伴うように,感染性胃腸炎も増加してきており、第 5 週では昨年より多い 203 件の報告がありましたが,第 6 週では 179 件とやや減少しています。和歌山市,岩出,新宮管内では警報が継続発令されています。インフルエンザと同様注意が必要です。



  咽頭結膜熱
 昨年末から流行が続いている「咽頭結膜熱」は,第 1 週から第 5 週にかけて, 16 件から 3 件へと暫時減少し,第 6 週で 4 件でした。和歌山市では警報は引き続き発令されています。



 感染症対策で最も有効な予防法は予防接種です。
 麻疹や風疹は予防接種で感染を予防できます。いずれも満1歳〜満 7 歳6か月になるまでの間にかかりつけ医で接種できます。
  予防接種の接種時期については,最も適切な接種時期として,「標準接種月齢」が示されています。先日,予防接種実施要領が改正され, 麻疹の予防接種の標準接種月齢 が,今までの「生後 12 月から 24 月」から、 「生後 12 月から 15 月(満 1 歳3か月)」 に変更されました。これは,麻疹が 1 歳ごろがもっとも罹患しやすく,かつ重症になるため、満1歳になったら,できるだけ早い時期に予防接種を受けることを推進するためのものです。

     「お誕生日を迎えたら,かかりつけ医で麻疹の予防接種をうけましょう!」

     「麻疹」の予防接種の後は,引き続き「風疹」の予防接種をうけましょう!

  また, 7 歳6か月を過ぎた方でまだ予防接種を受けていない人では,任意接種(有料)になりますが,大きくなってから罹患することを予防するためにも接種することをお勧めします。かかりつけ医にご相談ください。



  高病原性鳥インフルエンザ

 2003 年には,香港,米国,オランダ,ドイツ,韓国で, 2004 年にはベトナムで「高病原性トリインフルエンザ」は発生しています。直近では,ベトナム及びタイ等において,高病原性鳥インフルエンザの感染者及び死亡者が複数でたことで,世界的に注目されています。 2 月 12 日現在で,タイで確定感染者数が 6 名で,うち死亡例 5 例,ベトナムでは確定感染者数 19 例で,うち死亡者 14 例と極めて高い死亡率を示しています。
 また,日本においても, 1 月 12 日,山口県の農家で飼育されていた鶏から鳥インフルエンザウィルスが分離されました。これは, 1925 年ぶりのことです。
 現在においては,人における「鳥インフルエンザ」は,「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」において,第 4 類感染症に指定されており,診断した医師は, 直ちに保健所へ届出ることが義務化されています。現状では,人から人への感染はないとされています。
 また,鳥等との関係においては,家畜伝染病に指定されており,鳥等で診断された場合は,獣医師は,県家畜保健衛生所に届出ることとなっています。
 なお、この感染症は,飲食によって感染するものではないので,感染した鶏の排泄物などと直接的な接触がない限り,感染することはありません。
 異常死した鳥を発見した場合は,決して直接触れることなく,お近くの獣医師に相談するか,県家畜保健衛生所へ相談しましょう。



 「鳥インフルエンザ」のような,動物等と人の両者に共通に感染する感染症を「動物由来感染症」「人獣共通感染症」「 ZOONOSIS (ズーノーシス)」などと呼んでいます。多くの種類の感染症があリ,重要なものは,第 4 類感染症に指定されています。動物等を飼育する場合には,充分な知識と注意が必要です。日常から,飼育の業務を担当した後は,必ず,手洗いとうがいを励行しましょう!また,必要に応じて,手袋やマスクの着用をしましょう!




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