和歌山市感染症情報センター

Wakayama City Infectious Disease Surveilance Center

流性感染症について

性感染症は、性器・口腔等による性的な接触で人から人へ感染します。
原因は、ウイルス・細菌・原虫・寄生虫などいろいろあり、感染している人の性器、泌尿器、肛門、口腔等と直接触れ合うことで感染します。

特徴

パートナーが一人でも

予防

感染している人の体液(血液、精液、膣分泌液等)、粘膜又は病変がある皮膚等に直接触れないようにする。
コンドームを正しく使うこと。

性感染症の予防のポイント

検査

検査を受けることで、自分の感染の有無が判明します。

治療

男性なら泌尿器科、女性なら産婦人科に相談しましょう。
湿疹等の皮膚症状なら皮膚科、のどの違和感があれば耳鼻咽喉科を受診しましょう。
早く治療を始めることで、治療期間も短く、合併症等の心配もなくなります。
また、パートナーと一緒に治療しましょう。(パートナーから同じ性感染症を何度も感染することを防ぐために)

性感染症には、たくさんの種類があります。代表的な性感染症を和歌山市保健所における感染症の発生状況とあわせて紹介します。

梅毒 引き続き注意が必要!
梅毒は、診断後7日以内に、診断した医師から保健所に報告が必要な性感染症です。

令和3年以降、全国的に急増しています。
和歌山市保健所管内の梅毒発生届出数は、令和5年37件、令和6年18件でした。全国では、男性は20代から50代、女性は20代に突出して増えていますが、和歌山市保健所管内では、男性は40~50代を中心に各年代に、女性は20~30代に多くなっています。
前年から倍増した令和5年と比べると、減少傾向にありますが、梅毒が増加すると、数年後にHIVが増加するともいわれており、引き続き注意が必要です。

梅毒
梅毒

梅毒は、慢性の感染症であり、お腹の赤ちゃんにも感染し、家族・子どもに与える影響が大きい性感染症です。
感染してから、発病までが長く、初期(第Ⅰ期)には、症状のでない不顕性梅毒も増えています。セックスだけでなく、キスやペッティングでも感染する可能性があり、感染した人の血液からも感染します。

病原体:梅毒トレポネーマ
潜伏期:10~90日(通常3週間程度)
症  状:

第Ⅰ期(感染から3か月まで)
感染した場所(性器又は口など)に赤みのあるしこり、腫れもの(無痛) 鼠径リンパ節(太ももの付け根)がはれる(グリグリ)。 放っておくと症状は消える。しかし、病原体は体内で増え続けている。

第Ⅱ期(感染後3か月から3年まで)
いろいろ皮膚症状がでる(バラ疹、丘疹、白斑、脱毛など)。
1年以内に症状が消える。
注意:症状がなくても、病原体は体内で増え続けているので、人に感染させやすい。

第Ⅲ期(感染後3年から10年まで)
皮膚や内臓、骨に病気が拡がる。

第Ⅳ期(感染後10年以後)
心臓・血管・中枢神経(脳)などに障害がでて、日常生活は困難になる。治療が難しい。

先天性梅毒とは 感染している女性が妊娠したり、妊娠している女性が梅毒に感染すると、胎盤を通じて、胎児が梅毒に感染し、胎児又は新生児に生じる病気や障害のこと。
妊娠している女性が梅毒に感染すると、流早産の原因になることもあります。
妊娠の早い段階で感染がわかり、早期に治療すれば、先天梅毒のリスクを下げられます。
治療
抗生物質(ペニシリン系)の1か月程度の内服。症状がなくなっても自己中断せず、医師の指示通り内服を続けることが重要。1~3回程度の注射で治療可能な場合もあり。

和歌山市においても全国同様増加しています。
梅毒に感染しているかどうかは血液検査でわかります。
和歌山市保健所では、HIV抗体検査時に希望者に対して梅毒検査も実施しています。

梅毒診療ガイド(第2版)
その他性感染症の動向
その他性感染症の動向

和歌山市内の動向を把握するため、産婦人科又は泌尿器科などのいくつかの医療機関(定点医療機関)から、国が定めた種類の性感染症を診断した際に件数を報告してもらっています。
その報告によると、全般的に増加傾向ですが、特に性器クラミジアの増加が顕著です。
いずれも診断がついた人数ですので、感染に気づいていない人又は検査を受けていない人を含めるともっと多くの方々が感染している可能性もあります。

性器クラミジア感染症
性器クラミジア感染症

日本で最も多い性感染症です。自覚症状がない場合が多く、感染に気付かないことがよくあります。
感染に気付かず不妊症の原因になることもあります。和歌山市でも毎年100件以上の発生届があり、特に20代男女での届出が多いです。
また男女別の届出数を全国と比較すると、男性の届出が女性と比較してかなり多い傾向にあることが分かります。

性器ヘルペス
原因のウイルスには口唇に多いⅠ型と陰部に多いⅡ型があります。Ⅰ型は、陰部にも感染します。疲れていると再発しやすく、完治は難しいようです。

淋病
接触の仕方によって、性器、尿道、直腸、咽頭、眼などの粘膜に感染し、化膿します。

尖圭コンジローマ
ほかの性感染症にも感染していることが多いのが特徴といわれています。カリフラワー状のイボができる。

トリコモナス症
感染すると女性では尿に病原体(原虫)がよくみられます。男性では、尿には病原体があまり出ないので、診断が難しいようです。湿ったタオルや下着などからも感染することがあります。

疥癬
毛ジラミ症
B型肝炎
B型肝炎ウイルスは、血液、精液、膣分泌液、唾液に存在し、HIV(エイズを引き起こすウイルスの名称)の1,000倍も感染しやすいといわれています。月経中、肛門性交、器具等を使うことで出血を伴う性行為で感染リスクは高くなります。
B型肺炎には、一過性感染と持続感染があります。
免疫機能の働きによりB型肝炎ウイルスを体外に排出し一時的な感染で終わることを「一過性感染」と言います。成人で感染した場合、一過性感染が多いです。
一方で、免疫機能の低下によりB型肝炎ウイルスを排出できず体内に残ってしまうことを「持続感染」と言います。
B型肝炎ウイルス感染者の約10~20%が慢性肝炎に進行し、その後肝硬変、肝がんを発生する人もいます。
詳しくは、「肝炎」をご参照ください。