「感染性胃腸炎」　2004年の年末よりピークを迎えています。2005年第1週151件，第2週160件，第3週158件と流行中で報告数は3週横ばい状況。第50週より警報継続発令中。また，「水痘」も警報が継続発令中。インフルエンザは第2週2例，第3週6例の報告あり！県内で最初のインフルエンザウィルス検出はＡ香港型。今後の動向に注意を！

　冬場に流行する感染性胃腸炎の流行状況は，下図のとおりです。
　 2004年第50週以降に急増し，第52週293件とピークを迎えています。年末・年始でも，第53週244件，第１週151件，第2週160件，第3週158件と流行は継続し、報告数は横ばい状況です。
　 県内では，和歌山市・海南管内で警報継続発令されています。高齢者施設，医療機関等で集団感染事例もでています。今後，しばらく流行が続くことが予測されますので，注意が必要です。
　 第52・53週のIDWR病原体検出情報では，ノロウイルスが最も多く，特にノロウイルスG�Uの検出が多く報告されています。ロタウィルスは，A群は検出されています。ロタウィルスの流行はこれからが本番です。嘔吐・下痢症状が一般的にノロウィルス感染症より重いので，脱水にならないよう，点滴等の処置が必要な場合がありますので，早めに医療機関を受診しましょう。

　年齢別では，幼児が中心ですが，小学生，中学生，おとなまで幅広い年齢で報告されています。

　今シーズン初めての報告が，昨年第42週新宮管内で1件。以後県内でも報告はありません。和歌山市内では，第47と第50週に1件ずつ，第2週，第3週6件の報告でした。
　 県内では，第3週になって，岩出5件，高野口6件，田辺2件，新宮1件とぼちぼち報告がでています。また，那智勝浦町で今シーズン初めての集団かぜによる学級閉鎖がありました。
　 第1週IDWR　病原体情報では，インフルエンザウィルスAH3型が16都道府県から58件，AH!型は6県から43件の分離・検出が報告されています。B型は15都府県から41件の分離・検出が報告されています。和歌山県内での近シーズンはじめてのウィルス検出は，AH3型でした。

　水痘は年によって流行の時期がかなり大きく変動しています。2004年では，第45週ごろから増加しはじめ、第49週では77件に急増し，流行が続いています。
　 2005年第1週でも58件，第2週67件，第3週60件の報告があり，警報が継続発令されています。
　 年齢別の報告数をみますと，殆どが就学前の年少乳幼児ですが，年長者での報告もあります。

　手足口病は，2000年に大流行しました。例年は３大夏風邪のひとつとして夏場に流行するのですが，2004年は，夏にあまり流行せず，涼しくなってから報告が増加しました。10月に入り第41週で14件，以降徐々に増加し，第48週では49件と増加し警報が発令され，第52週まで警報が継続発令されていました。
　 第1週5件，第2週6件，第3週5件と減少し，警報は解除されました。年齢別では，幼児での報告が中心です。

　和歌山市では，2004年は，ほぼ平年並みの流行状況でしたが，第41週の24件以降，報告数が増減しながらも平年よりやや多く年末年始にかけて報告数が減少していましたが，第1週11件から第2週16件に増加，第3週は8件とやや減少しました。
　 県内では，第1週で注意報はすべて解除，第2週には，海南管内及び田辺管内で注意報が発令されましたが，第3週は解除されました。年齢別では，1歳から4歳までと7歳で報告されています。

　過去5年平均と比較して流行状況を見ますと，平均と比較して2004年は第16週から28週にかけてやや報告数が多く、その後漸減し，平年並みとなっていましたが，第46週では13件と増加し，以後横ばい状況でした。
　 2005年では，第１週は3件のみ，第2週では8件に増加，第3週も8件と同数でした。今後の動向に注意しましょう。

　2004年は，早期からの流行し，第22週では32件（定点当り3.56）とピークとなりました。以後，第31週まで警報が発令され，以降漸減。第49週以降4件から1件のあいだの報告となっています。
　 2005年第1週では2件，第2週では4件，第3週3件でした。流行状況は，下図のとおりです。

　「咽頭結膜熱」「手足口病」とともに3大夏風邪のひとつ「ヘルパンギーナ」は，全国的にも和歌山市内でも，5年前（1999年）に大流行しました。
　 2004年は，和歌山市では，第28週33件（定点当り3.67）がピークで，目立った流行はありませんでした。第49週以降終息しています。2005年第1週，第2週は，報告なしで，第3週1件のみです。