腸管出血性大腸菌O157とは?
腸管出血性大腸菌O157は、食中毒などの原因となる病原性大腸菌の一種です。O157は腸管内で「ベロ毒素」という強い毒素を放出し、出血性の下痢など人のからだに大きな影響を及ぼします。O157の感染力と毒素は赤痢菌並み、あるいはそれ以上といわれ、子どもや高齢者では死者や重症者を出す恐れがあります。現在、O157などによる「腸管出血性大腸菌感染症」は、「3類感染症」とされ、予防への注意が呼びかけられています。
O157の特徴 〜なぜ怖い〜
- (1)感染力が非常に強い
- O157は、感染力が非常に強く、100個たらずでも感染します。そのため、食品にごく少量ついていても感染し、又、入浴やタオルの共用、トイレの取っ手などに付着した菌などによっても、ほかの家族に二次感染を起こすことがあります。
- (2)毒性が強い
- この菌は、大腸で増殖するときに、「ベロ毒素」という猛毒を作り出します。この毒素によって、特に乳幼児や高齢者では、「溶血性尿毒症症候群(HUS)」などを引き起こし、腎臓や脳に重大な障害を生じさせたり、時には生死に関わることもあります。
- (3)潜伏期間が長い
- O157の潜伏期間は2〜9日と長く、その間は無症状です。そのため、発生してからでは原因の特定が困難で、感染された食品が流通してしまったり、二次感染などで感染が広まる危険があります。
O157の主な症状と病状経過
無症状な潜伏期をすぎると、初期には下痢と腹痛が起きます。
3日目くらいから激しい腹痛とともにベロ毒素によって大腸の粘膜が傷めつけられ血便(出血性大腸炎)が出はじめます。さらに、重症化すると「溶血性尿毒症症候群(HUS)」へと進行し、腎臓障害や神経障害を引き起こします。
3日目くらいから激しい腹痛とともにベロ毒素によって大腸の粘膜が傷めつけられ血便(出血性大腸炎)が出はじめます。さらに、重症化すると「溶血性尿毒症症候群(HUS)」へと進行し、腎臓障害や神経障害を引き起こします。
こんな時どうする・・・?
下痢や腹痛 特に出血を伴う下痢を起こしたら!!!
- (1)すぐにかかりつけの医者にみせましょう
- ※ 安静にし、消化しやすい食事を!
※ 常温に近いお茶や麦茶で水分補給を!
※ 下痢止めは逆効果。飲まないように!
※ 「いつから」「どんな症状」「何を食べた」をかかりつけの医者に伝えましょう。
- (2)糞便の処理をするときは・・・
- ※ ゴム手袋などをつけて衛生的に!
※ 乳幼児が患者の場合は、おむつの交換は場所を決めて、消毒をするなど衛星的に!
※ 処理の後は、流水で十分に手洗いし、逆性石鹸や消毒用アルコールで消毒を!
- (3)患者の便で汚れた衣類は・・・
- ※ 沸騰や薬剤などで消毒し、家族のものとは別に洗濯を!す。
- (4)患者のお風呂は
- ※ お風呂は最後に入りましょう!
※ 乳幼児とは混浴しないように!
※ 湯は毎日替えましょう!