肝炎とは「肝臓に炎症が起きている状態」すなわち肝臓の細胞が破壊されている状態を指します。
肝炎を引き起こす原因は様々ありますが、日本では、肝炎の多くが「ウイルス性肝炎」と言われています。
肝炎を起こす原因
1.ウイルス性肝炎:ウイルスが原因で起こる肝炎
2.薬剤耐性肝炎:薬物や毒物、化学物質などによる肝炎
3.アルコール性肝炎:飲酒などアルコールによる肝炎
4.自己免疫性肝炎:自身の免疫細胞が、自分自身を攻撃してしまうことによる肝炎
主な肝炎ウイルスにはA〜E型があり、詳しい症状とそれを起こしやすい肝炎ウイルスの型は以下のとおりです。
- 急性肝炎 (A・B・E型肝炎ウイルスに多い)
感染してから一定の潜伏期をおいて下記のような症状が起こります。まれに脳症など激しい症状を起こし、死亡率の高い劇症肝炎になることもありますが、ほとんどの場合、1〜3か月程度で自然に治ります。
<症状>
・全身倦怠感 ・ 食欲不振 ・ 吐き気
・黄疸(皮膚や眼球の白い部分が黄色くなる)など
- 慢性肝炎 (B・C型肝炎ウイルスに多い)
長期間軽度の肝障害が続くため、徐々に肝細胞が線維化し、肝硬変や肝がんのリスクが高まります。自覚症状のないことが多い。
なかでも、B型及びC型肝炎の患者・感染者は合わせて300万人を超えて、国内最大の感染症とも言われています。
B型及びC型肝炎ウイルスは、主に血液によって人から人へと感染します。感染を防ぐには、他人の血液に安易に触れないようにすることが重要です。またB型肝炎ウイルスは、ウイルスに感染している人との性交渉で感染することもあります。
□歯ブラシ・カミソリなど血液がついている可能性のあるものを他の人と共用しない
□他の人の血液に触るときは、ゴム手袋を着ける
□注射器や注射針の共用を行わない
□入れ墨やピアスをするときは、適切に消毒された器具であることを必ず確かめる
□性行為にはコンドームを使用する
※B型肝炎は、予防接種(任意接種)もあります。(C型肝炎の予防接種はありません)
(こんなことでは感染しません)
□くしゃみ
□握手をする
□食器の共用
□同じお風呂やトイレの利用 など
肝炎ウイルスに感染していたとしても、肝臓の状態は人によってまちまちです。肝臓の状態は自覚症状の有無では判断できないので、まずは専門医に相談してみましょう。
(主な治療方法)
□抗ウイルス療法:インターフェロン治療抗とウイルス薬治療(核酸アナログ製剤や直接作動型抗ウイルス薬)があります。
□肝庇護療法:肝臓の炎症を抑え、肝細胞の破壊のスピードを抑える治療法です。
C型ウイルス性肝炎のインターフェロン治療及びインターフェロンフリー治療並びにB型肝炎のインターフェロン治療及び核酸アナログ製剤治療に対して医療費助成を行っています。