3類感染症(全数把握)の発生がありました。
細菌性赤痢2件です。40〜50歳代の女性です。東南アジア方面への渡航帰りの発症です。
流行地域への渡航時には,生の飲食物の摂取に充分留意しましょう。
第14週の和歌山市の5類感染症(定点把握)の発生状況です。
インフルエンザ・感染性胃腸炎とも流行は終息しました。
インフルエンザは、第11週に537件(定点当り35.8)でピークを迎えましたが,第14週では82件(定点当り5.47)に減少し終息しました。今シーズンは,例年と比較し非常に遅い流行でした。県内の全ての地域で警報・注意報は解除されました。
感染性胃腸炎は,第9週161件(定点当り17.89)に急増し、第10週179件,第11週187件(定点当り20.78)に増加し警報発令されましたが,第14週には80件(定点当り8.89)に減少し,警報は解除されました。
また,水痘は例年よりやや多い状況が続いていました。ここ数週は落ち着きつつありましたが、第14週は再度増加し、41件(定点当り4.56)で注意報発令です。
他の感染症は全体に報告が少ない状況となっています。
眼科定点,基幹定点は、報告なしでした。
2006-2007年の今シーズンは、流行の時期が遅く、患者数も少ない状況ですが、第11週537件(定点当り35.8)をピークに,第8週から第13週まで警報が発令されました。第14週には82件(定点当り5.47)に減少し,今シーズンの流行は終息しました。
県全体でも全ての地域で警報が解除されました。
年齢別では幅広い年齢層で報告されていますが、幼児が中心になっています。
インフルエンザの予防には,流行前に予防接種を受けるだけでなく、日頃からの健康管理、うがい、手洗い励行など基本的な生活習慣を大切にして予防に心がけましょう。また、人出の多いところへの外出はできるだけ避け、外出時や咳症状がある時はマスクを着用しましょう。
「感染性胃腸炎」は小児に好発するロタウィルス腸炎やノロウィルス感染症にみられるように,冬季〜春先に大流行します。例年40週後半を過ぎた当たりから急激に増加を始め年末にピークを迎えます。2006年は、全国的に例年より立ち上がりが早く、第46週時点で1定点あたり19.80と1981年の調査開始以来最高を記録しました。
和歌山市でも、2006年は、第49週に373件(定点当り41.44)と過去最高の報告数となり,第46週から52週まで警報発令が続きました。
2007年第1週では58件(定点当り6.44)まで減少し、警報は解除され,以降、ほぼ横ばい状況が続いており、過去8年間の中でも最も少ない状況が続いていましたが、第9週161件,第10週179件,第11週187件(定点当り20.78)と増加が続き、警報が発令されました。第14週には80件(定点当り8.89)に減少し、警報は解除されました。
IDWR第13週の病原体情報では、2006/2007年シーズンでは、ノロウィルスGUが3,131件、GTが47件、サポウィルスが61件、A群ロタウィルスが184件報告されています。
日常生活における予防としては、「手洗い」「うがい」励行などを日ごろより心がけて下さい。また嘔吐・下痢などの症状があるときには、十分に水分補給をして下さい。ノロウィルスには塩素系の消毒剤が有効です。嘔吐物や下痢便の処理は衛生的に取り扱い、汚れた場所や衣類等は熱湯や塩素系消毒剤で消毒しましょう。
年齢別では、就学前の幼児が中心です。
RSウイルス感染症の流行は毎年冬で、特に乳幼児(特に6ヶ月未満)に中心にみられる肺炎、気管支炎などの急性下気道感染症です。ロタウイルス腸炎と並んで、冬季に流行する乳幼児に多い感染症です。
2006年では、第45週に3件の報告から増加し、第50週33件、第51週44件、第52週35件と流行が続きました。
2007年では、増減を繰り返しなかなか終息しませんでしたが,第10週以降5件以下に落ち着き,第14週0件でようやく終息した模様です。
20007年は、第7週46件(定点当り5.11)に急増し、警報が発令されました。過去最高の報告数でした。以後,急速に減少し,第14週には2件(定点当り0.22)で,過去と比較しても非常に少ない報告数となりました。
本感染症では,治療が十分に行われないと腎炎,リウマチ熱を発症することがあるので,早期診断,適切な治療が特に必要とされています。
2007年第1週では74件(定点当り8.22)に急増し、警報が発令されました。以降,増減しつつ,漸減傾向でしたが,第14週には41件(定点当り4.56)と再増加し,再度注意報発令です。
年齢別では,乳幼児が中心です。
2006年は,国内の咽頭結膜熱の報告数については、国立感染症研究所が発刊するIDWR(2006年第42週)によると「定点当たり報告数は微増し、過去5年の同時期と比較してかなり多い状態が続いている」と報告されていました。
和歌山市でも、第23週23件(定点当り2.56)をピークに、以降10件前後で推移、第32週以降は減少しましたが、年間通じて数件の報告がみられました。
2007年では,1件から5件で推移しています。第14週は3件(2歳,3歳,4歳)でした。
流行性耳下腺炎は約4年ごとに増える傾向がみられています。
和歌山市では,2006年では第10週をピークに流行が続きましたが、第19週以降漸減しています。
2007年では1〜11件の間で、第14週も5件(定点当り0.56)と少ない状況が続いています。年齢別では、1歳,6歳,7歳,8歳,10〜14歳でそれぞれ1件ずつでした。
和歌山県・市では,感染症発生動向調査と並行し,2005年5月より,麻しんと風しんの全数把握事業を実施しています。それぞれの報告数は次の表のとおりです。
和歌山市内では、2005年6月以降、麻しん・風しんとも報告はありませんでした。
2007年第14週も報告なしです。
和歌山市 | 和歌山県(和歌山市分含む) | |||
麻疹 | 風疹 | 麻疹 | 風疹 | |
5月2日 〜 6月5日 | 0 | 4件(5,8,36,47歳) | 1件(11か月) | 6件(市+1,45歳) |
6月6日〜7月3日 | 0 | 0 | 0 | 2(1,6歳) |
7月4日〜7月31日 | 0 | 0 | 0 | 1件(33歳) |
8月1日〜9月4日 | 0 | 0 | 1件(2歳) | 1件(37歳) |
9月5日〜10月2日 | 0 | 0 | 0 | 0 |
10月3日〜11月6日 | 0 | 0 | 0 | 2件(20,22歳) |
11月7日〜12月4日 | 0 | 0 | 0 | 0 |
12月5日〜1月1日 | 0 | 0 | 0 | 1件(1歳) |
1月2日〜4月9日 | 0 | 0 | 0 | 0 |
4月10日〜4月16日 | 0 | 0 | 1件(1歳) | 0 |
4月17日〜7月9日 | 0 | 0 | 0 | 0 |
7月10日〜7月16日 | 0 | 0 | 0 | 2件 |
7月17日〜12月31日 | 0 | 0 | 0 | 0 |
2007年1月1日〜4月8日 | 0 | 0 | 0 | 0 |
累計 | 0 | 4件 | 3件 | 15件 |
(注) 赤字:ワクチン接種歴なし,青字:ワクチン接種歴あり,緑字:接種歴不明 |