「感染性胃腸炎」は小児に好発するロタウィルス腸炎やノロウィルス感染症にみられるように,冬季〜春先に大流行します。例年40週後半を過ぎた当たりから急激に増加を始め年末にピークを迎えます。2006年は、全国的に例年より立ち上がりが早く、第46週時点で1定点あたり19.80と1981年の調査開始以来最高を記録しました。
和歌山市でも、2006年は、第46週で211件(定点当り23.44)と急増し、警報発令となりました。これは前年より5週間早い警報発令です。以後急増し、第49週には373件(定点当り41.44)と過去最高の報告数となりました。以後、第50週は358件にやや減少、以降、第51週190件(定点当り21.11)、第52週130件(定点当り14.44)と急激に減少しました。
2007年第1週ではさらに58件(定点当り6.44)まで減少し、警報は解除されました。第2週67件、第3週65件と横ばい、第4週は86件(定点当り9.56)とやや増加、第5週は63件(定点当り7.00)でした。昨年の同時期と比較すると半数程度で、過去8年間の中でも少ない状況となっています。しかし、5類感染症の中では最も多く報告されています。保育所・学校などの小児の集団生活の場や高齢者の集団生活施設などでは、流行が拡大しないよう、留意しましょう。
IDWR第52週の病原体情報では、ノロウィルスGUが1,640件、GTが19件、サポウィルスが32件、A群ロタウィルスが22件報告されています。
日常生活における予防としては、「手洗い」「うがい」励行などを日ごろより心がけて下さい。また嘔吐・下痢などの症状があるときには、十分に水分補給をして下さい。ノロウィルスには塩素系の消毒剤が有効です。嘔吐物や下痢便の処理は衛生的に取り扱い、汚れた場所や衣類等は熱湯や塩素系消毒剤で消毒しましょう。
年齢別では、就学前の幼児を中心にみられます。