【4類感染症】 第34週(8月21日〜8月27日)
第34週の和歌山市の4類感染症の発生状況です。 レジオネラ症が1件報告されています。本症は累計2件となりました。
【5類感染症:定点把握】 第34週(8月21日〜8月27日)
第34週の和歌山市の5類感染症(定点把握)の発生状況です。
咽頭結膜熱は第32週3件,第33週1件、第34週3件で、市内では今シーズンの流行は終息の模様です。ただし、県内では、岩出・御坊・田辺管内で警報基準値を上回っているようです。
ヘルパンギーナも、第32週・33週とも5件、第34週6件と横ばいで流行は終息の模様です。 また、手足口病も、第32週18件から第33週8件、第34週4件とさらに減少し、こちらも流行は終息の模様です。
流行性耳下腺炎・水痘は、第34週では前週よりやや報告数が増加しましたが、例年並です。 基幹定点疾患は、いずれも報告はありません。
和歌山市では、第23週23件(定点当り2.56)をピークに、以降10件前後の報告が続いていましたが、第32週3件、第33週1件(定点当り0.11)と減少、第34週では3件(定点当り0.33)とやや増加するも、今シーズンの流行はほぼ終息の模様と思われます。しかし、警報解除基準値(0.1)を上回っているため、警報は継続されています。
県内全体では、第34週は前週より15件減の36件ですが、岩出管内で定点当り3.50に増加しています。御坊保健所管内で、第33週定点当り14.00に急増、34週では定点当り3.00に減少しました。
また、国内の咽頭結膜炎の報告数については、国立感染症研究所が発刊するIDWR(2006年第32週)によると「過去5年間の同時期と比較してかなり多い状態が続いている。」と報告されています。
咽頭結膜熱はプール熱とも呼ばれ,アデノウイルスによる飛沫感染,接触感染が原因です。咽頭炎,結膜炎,発熱を起こします。潜伏期間5〜7日,有症状期間は3〜5日です。伝染力が極めて強いことから,主要症状消退後2日経過しないと登校できないので注意してください。
ヘルパンギーナは県全域にわたり警報発令中です。例年,20週後半から30週にピークを迎えており、本年も第28週の144件(定点当り16.00)をピークに以後減少し、第32週・33週は5件、第34週6件(定点当り0.67)で、今シーズンの流行は終息の模様です。
手足口病は例年、20週前半から増加を始め、20週後半に報告数のピークが見られることが多いです。今年は第28週22件,第29週17件から第30週には37件とやや増加しましたが、第31週15件、第32週18件から第33週8件、第34週4件とさらに減少し、大きなピークは認められないままに、終息の模様です。 年齢別報告数は、6〜12か月・1歳・2歳・3歳で各々1件でした。
「流行性耳下腺炎」は「約4年ごとに増える傾向がみられています。
和歌山市では,2005年の第42週に警報が発令されました。その後,増減を繰り返して2006年にはいっています。
2006年では第7週42件に増加し,以後警報が継続発令されており,流行が続いていました。第19週以降,20件前後の報告数で徐々に落ち着いきています。第34週は19件(定点当り2.11)でした。ほぼ例年並みの状況となっています。
年齢別報告数では,4歳7件をピークに2歳から7歳及び10〜14歳で報告されています。
増減を繰り返しつつ,第11週42件で,注意報発令後,第22週の50件をピークに徐々に漸減。第34週は13件(定点当り1.44)でした。例年並の流行状況となっています。 年齢別報告数では第34週は6か月〜6歳に分布しています。
第9週33件に急増,第10週〜第27週は10件〜20件前後で推移し、全体的に例年よりやや多い状況が続いていました。第30週以降1件または2件と報告が少ない状況が続いています。
この感染症では,治療が十分に行われないと腎炎,リウマチ熱を発症することがあるので,早期診断,適切な治療が特に必要とされています。
「感染性胃腸炎」は小児に好発するロタウイルス腸炎やノロウィルス感染症にみられるように,冬季〜春先に大流行しますが,これから秋の時期は、最も報告数の少ない時期となっています。
和歌山市での2006年の状況は,第2週に253件(定点当り28.11)に急増,その後,第4週から第11週まで140〜190件とやや多めでしたが,第12週には,89件に減少し,以降,100件以内でほぼ例年並の報告数となりました。第26週からは30〜40件台で推移しています。第34週も37件(定点当り4.11)でした。
流行期は過ぎたものの,小児に見られる感染症では,やはり年間を通じて最も報告数の多い感染症です。
年齢別では第34週では乳児から19歳まで幅広い年齢層で報告されています。
今年は、6月、7月に地域的な小流行が認められ、定点報告でも、和歌山市では、第27週は3件,第28週は2件,第29週は1件、第30週は2件と少数報告が続いていましたが、第31週以降0が続いています。
なぜ夏期にインフルエンザ?と思う方も多いと思いますが,インフルエンザは身近なところにあります。そして人間の体力が弱まり,感染できる状態になった時,一気に流行するのです。今全国各地で流行したのはB型のインフルエンザです。昨年冬に流行ったA香港型とは異なるため,免疫を持たない人が多いのです。県内でも、第20週には日高川町及び有田市の小中学校2校で集団風邪による学級閉鎖が報告されており,インフルエンザB型と診断された者がいたようです。
和歌山県・市では,感染症発生動向調査と並行し,2005年5月より,麻しんと風しんの全数把握事業を実施しています。それぞれの報告数は次の表のとおりです。 第34週に和歌山県での報告はありません。
|
和歌山市 |
和歌山県(和歌山市分含む) |
麻疹 |
風疹 |
麻疹 |
風疹 |
5月2日 〜 6月5日 |
0 |
4件(5,8,36,47歳) |
1件(11か月) |
6件(市+1,45歳) |
6月6日〜7月3日 |
0 |
0 |
0 |
2(1,6歳) |
7月4日〜7月31日 |
0 |
0 |
0 |
1件(33歳) |
8月1日〜9月4日 |
0 |
0 |
1件(2歳) |
1件(37歳) |
9月5日〜10月2日 |
0 |
0 |
0 |
0 |
10月3日〜11月6日 |
0 |
0 |
0 |
2件(20,22歳) |
11月7日〜12月4日 |
0 |
0 |
0 |
0 |
12月5日〜1月1日 |
0 |
0 |
0 |
1件(1歳) |
1月2日〜4月9日 |
0 |
0 |
0 |
0 |
4月10日〜4月16日 |
0 |
0 |
1件(1歳) |
0 |
4月17日〜5月28日 |
0 |
0 |
0 |
0 |
5月29日〜7月9日 |
0 |
0 |
0 |
0 |
7月10日〜7月16日 |
0 |
0 |
0 |
2件 |
7月17日〜8月27日 |
0 |
0 |
0 |
2件 |
累計 |
0 |
4件 |
3件 |
15件 |
(注) 赤字:ワクチン接種歴なし,青字:ワクチン接種歴あり,緑字:接種歴不明 |
茨城県,千葉県で4月〜5月に麻疹が集団発生しています。
ワクチン接種率が向上し,罹患者は減ったものの,接種漏れなどで免疫のない人がかかると重症化する恐れがあります。ワクチン未接種でまだかかってない人は至急ワクチン接種をしましょう。
Stop 麻しん・風しん = 「予防接種」は最も有効で積極的な予防法!!
平成18年4月1日より新制度がスタート
感染症対策で最も有効な予防法は予防接種です。
麻しんや風しんの予防接種は、平成18年4月1日より、次のようになります。
第1期 満1歳〜満2歳になるまでの間に1回
第2期 満5歳〜7歳未満で、 小学校入学日の1年前の日から小学校入学前日までの間に1回
いずれも、「麻しん風しん混合ワクチン」を接種します。
満1歳から満2歳未満のお子さんで,麻しんもしくは風しんのいずれか一方のワクチンのみを接種している場合や,いずれかに罹患した場合には,任意接種になりますが,公費で麻しんもしくは風しんの単抗原ワクチンを接種できます。
また、7歳6か月を過ぎた方でまだ予防接種を受けていない人は、任意接種(有料)になりますが、大きくなってから罹患することを予防するためにも接種することをお勧めします。かかりつけ医にご相談ください。
風しんと先天性風しん症候群の予防について
小児科定点からの全国の「風しん」患者数は,2004年に一部の地域(群馬県,大分県,鹿児島県,宮城県,埼玉県など)で多く報告されました。全国3000の小児科定点医療機関から第20週243件,定点当り0.08人の報告で感染症法施行以降最高値となりました。
患者の年齢別では,2004年では以前と比較して10〜14歳及び20歳以上の割合が明らかに大きくなっています。これらは小児科定点からの報告であるため,実際の成人の風疹罹患数はより多い可能性があります。
一方,ワクチン未接種で罹患したこともない女性が妊娠初期に風疹に罹患したときにウィルスが胎児に感染し,出生児に「先天性風疹症候群」を起こすことがあります。この先天性風疹症候群は「感音性難聴」「白内障または緑内障」「心疾患」が3主徴で,通常妊娠第16週までに起ることが殆どです。
感染症法では,「先天性風しん症候群」は全数把握となっていますが,いままで1年に1例以内だったのが,2004では,第51週までで9例の報告がありました。和歌山市内で「先天性風疹症候群」の報告はありません。
また,「風疹」は,和歌山市内では、2004年7件,2005年4件の報告でした。
非流行時から妊娠可能年齢の女性の積極的な予防接種が重要です。また,流行阻止のために,男女とも,ワクチン接種歴がなく,罹患もしていない人は,男女とも予防接種(任意接種)を受けることが望まれます。
なお,妊娠可能な女性については,ワクチン接種後2か月間の避妊が必要です。