【5類感染症】 第30週(7月25日〜7月31日)
夏かぜの流行のシーズンです。市内で「ヘルパンギーナ」と「咽頭結膜熱」、「手足口病」は減少傾向ですがまだ注意が必要です。県内では「ヘルパンギーナ」は海南管内で8件(定点当たり4.00)で警報継続中、田辺管内で15件(定点当たり3.75)で警報継続中です。「咽頭結膜熱」は高野口管内で1件(定点当たり0.25)で警報継続中、海南管内で2件(定点当たり1.00)、新宮管内で7件(定点当たり3.50)で警報発令されています。「手足口病」に関する警報、注意報は発令されていません。また、「流行性耳下腺炎」が和歌山市内で31件(定点当たり3.44)、高野口管内で12件(定点当たり3.00)、御坊管内で6件(定点当たり3.00)で注意報発令されています。
夏休みに入り,子どもさんの行動範囲も広がると思います。お子さんの健康に気をつけてください。
和歌山市では第27週40件、第28週40件、第29週37件、第30週15件とやや終息傾向が見られます。しかし県内では海南管内で8件(定点当たり4.00)で警報継続中、田辺管内で15件(定点当たり3.75)で警報継続中です。減少傾向ですが流行の時期を迎えており今後の動向に注意が必要です。
第23週IDWRより、「過去10年間をみると、第28週を中心に第29週、第27週の3つの週のいずれかに報告数のピークがみられている。今後流行のピークが予想される7月中旬に向けて、さらに発症者が増加するものと予想されるため、より一層の注意が必要である。」とされています。
年齢別報告数では、幼児が中心で1歳にピークを認めています。
昨年早期に流行した「咽頭結膜熱」ですが、2005年は第1週以降2件から5件の報告で横ばい状況です。第30週は和歌山市で3件の報告でした。第19週IDWRでは「定点当たり報告数は増加し、2005年第1週以降では最高値となったが、過去5年間の同時期と比較してもやや多い」となっています。
県内では高野口管内で1件(定点当たり0.25)で警報継続中、海南管内で2件(定点当たり1.00)、新宮管内で7件(定点当たり3.50)の報告があり警報が発令されています。「咽頭結膜熱」は「プール熱」とも言われ、「ヘルパンギーナ」、「手足口病」とともに3大夏かぜの1つです。今後の動向に注意しましょう。
手足口病は、2000年に大流行しました。例年は3大夏風邪のひとつとして夏場に流行するのですが、2004年は、夏にあまり流行せず,涼しくなってから報告が増加しました。2005年では、第26週は23件に増加したものの第29週では11件、第30週では9件と減少しています。しかし、今後急激に増加してくる可能性もあります。
第17・18週IDWRの病原体情報では「2004年は第22週以降、A群コクサッキーウイルス16型(CA16)とエンテロウイルス71型(EV71)の検出が増加したが、CA16が主流となり、年末近くまで検出が続いた。2005年に入ってからもCA16の検出が散発的に続いている。CA16は9府県から、EV71は北海道から報告されている。」とのことです。
2004年第50週以降に急増し、第52週293件とピークを迎え、以降、第53週244件、2005年では、第1週以降130〜160件で流行が持続しました。第8週以降110件前後にやや減少したものの横ばい状況で警報が継続発令されていましたが、第12週は87件に減少し、ようやく警報は解除されました。以降昨年の同時期よりも少ない傾向が続きましたが、第16週90件とやや増加し、第17週162件と今年最大の報告数となり、今後の動向に注目を集めました。
第18週以降は漸減傾向となりましたが、第21週は136件と増加。しかしながらその後減少傾向で第28週で45件、第29週で58件、第30週で39件となっています。年齢別報告数では、幼児が中心ですが、1歳、10−14歳で報告もやや多くなっています。
2005年第1週から第3週まで横ばい状況で警報が継続発令されていましたが、第5週で29件に減少、以降漸減してきていました。第17週で22件とやや上昇、第18週で11件と減少し、その後、増減を繰り返し第30週で12件となっています。年齢別の報告数をみますと,殆どが就学前の年少乳幼児です。
和歌山市では2005年に入ってからまだ発生の報告はなく、県内でも第2週に新宮管内と高野口管内で各1件、第7週に田辺管内で2件、第11週に高野口管内で1件、第21週に高野口管内で1件、第24週に高野口管内で1件の報告があるのみとなっています。
なお、和歌山県・市では麻疹と風疹の全数把握事業を実施しています。5月2日〜6月5日で麻疹の報告は県内で1件、和歌山市で0件でした。また6月6日〜7月31日では麻疹の報告は県内で0件でした。
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和歌山市 |
和歌山県 |
麻疹 |
風疹 |
麻疹 |
風疹 |
5月2日〜6月5日 |
0 |
1 |
1 |
6 |
6月6日〜7月24日 |
0 |
0 |
0 |
2 |
第15週IDWRでは、「約4年ごとに増える傾向がみられている。2005年には報告数が増加する可能性が高い」とあり、第19週IDWRでは「定点当たりの報告数は大きく増加」となっています。和歌山市では、第18週は17件、第19週は24件と、警報発令には至りませんでしたが増加傾向を示しました。第20週は9件に減少し、その後小幅な増減をしておりましたが第30週では31件と増加し注意報が発令されています。今後の動向に注意が必要です。県内では、高野口管内で12件(定点当たり3.00)、御坊管内で6件(定点当たり3.00)の報告があり注意報が発令されています。
第13週以降報告のなかったマイコプラズマ肺炎でしたが、第18週で1件(定点当たり0.33)報告されて以来、第19・20週と続けて4件(定点当たり1.33)、第22週で2件(定点当たり0.67)の報告があり、今後の動向が注目されました。第23〜28週の報告はありませんでしたが第29週では1件、第30週でも1件の報告がありました。
第19週IDWRより、「マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は増加し、過去5年間の同時期と比較してもかなり多い。」となっています。
風しんと先天性風しん症候群の予防について
小児科定点からの全国の「風しん」患者数は,2004年に一部の地域(群馬県,大分県,鹿児島県,宮城県,埼玉県など)で多く報告されました。全国3000の小児科定点医療機関から第20週243件,定点当り0.08人の報告で感染症法施行以降最高値となりました。
患者の年齢別では,2004年では以前と比較して10〜14歳及び20歳以上の割合が明らかに大きくなっています。これらは小児科定点からの報告であるため,実際の成人の風疹罹患数はより多い可能性があります。
一方,ワクチン未接種で罹患したこともない女性が妊娠初期に風疹に罹患したときにウィルスが胎児に感染し,出生児に「先天性風疹症候群」を起こすことがあります。この先天性風疹症候群は「感音性難聴」「白内障または緑内障」「心疾患」が3主徴で,通常妊娠第16週までに起ることが殆どです。
感染症法では,「先天性風しん症候群」は全数把握となっていますが,いままで1年に1例以内だったのが,2004では,第51週までで9例の報告がありました。和歌山市内で「先天性風疹症候群」の報告はありません。また,「風疹」は,和歌山市内では,2004年1年間で計7件の報告でした。
非流行時から妊娠可能年齢の女性の積極的な予防接種が重要です。また,流行阻止のために,男女とも,ワクチン接種歴がなく,罹患もしていない人は,男女とも予防接種(任意接種)を受けることが望まれます。
なお,妊娠可能な女性については,ワクチン接種後2か月間の避妊が必要です。
Stop 麻しん・風しん = 「予防接種」は最も有効で積極的な予防法!!
感染症対策で最も有効な予防法は予防接種です。麻しんや風しんの予防接種は,いずれも満1歳〜満7歳6か月になるまでの間にかかりつけ医で接種できます。
麻疹の予防接種の標準接種月齢(=最も適切な接種時期)は,「生後12月から15月(満1歳3か月)」です。麻しんは1歳ごろがもっとも罹患しやすく,かつ重症になるため、満1歳になったら,できるだけ早い時期に予防接種を受けましょう。
和歌山市の1歳6か月児健診及び3歳児健診を受診された子どもさんの予防接種実施状況をみますと,麻しんでは,1歳6か月で約80%,3歳6か月で92%。風疹では1歳6か月で約42%,3歳6か月で79%のお子さんが接種済みとなっています。 麻しん・風しんの流行防止及び先天性風疹症候群を発生防止のため,今後,さらに早期接種の徹底を推進したいと思います。
「お誕生日を迎えたら,かかりつけ医で麻しんの予防接種をうけましょう!」
「麻しん」の予防接種の後は,引き続き「風しん」の予防接種をうけましょう!
また,7歳6か月を過ぎた方でまだ予防接種を受けていない人では,任意接種(有料)になりますが,大きくなってから罹患することを予防するためにも接種することをお勧めします。かかりつけ医にご相談ください。