【5類感染症】 第22週(5月30日〜6月5日) |
和歌山市では感染性胃腸炎がやや多めで維持、他は目立った動きはありません。
小幅な増減を繰り返している「水痘」ですが、県内では海南管内で9件(定点当たり4.50)の報告があり注意報が発令されました。田辺管内では26件(定点当たり6.50)の報告があり警報が継続中となっています。例年報告数が増加する時期であるため、今後も注意が必要です。 「ヘルパンギーナ」が新宮管内で7件(定点当たり3.50)の報告があり、警報継続中です。 |
「 感染性胃腸炎」 再び減少傾向へ |
2004年第50週以降に急増し、第52週293件とピークを迎え、以降、第53週244件、2005年では、第1週以降130〜160件で流行が持続しました。第8週以降110件前後にやや減少したものの横ばい状況で警報が継続発令されていましたが、第12週は87件に減少し、ようやく警報は解除されました。以降昨年の同時期よりも少ない傾向が続きましたが、第16週90件とやや増加し、第17週162件と今年最大の報告数となり、今後の動向に注目を集めました。 |
水痘(みずぼうそう) 例年なみであるが、時期的に注意! |
2005年第1週から第3週まで横ばい状況で警報が継続発令されていましたが、第5週で29件に減少、以降漸減してきていました。第17週で22件とやや上昇、第18週で11件と減少し、その後第19週30件、第20週16件、第21週29件、第22週16件と増減を繰り返しています。 |
麻疹(ましん) 今後の動向に注目 |
和歌山市では2005年に入ってからまだ発生の報告はなく、県内でも第2週に新宮管内と高野口管内で各1件、第7週に田辺管内で2件、第11週に高野口管内で1件、第21週に高野口管内で1件の報告があるのみとなっています。 |
流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)」 今後も注意! |
和歌山市では、第1週以降10件前後で増減していましたが、第18週は17件、第19週は24件と、警報発令には至りませんでしたが増加傾向を示していました。第20週は9件に減少したものの、第21週12件、第22週17件と増加しました。第15週IDWRでは、「約4年ごとに増える傾向がみられている。2005年には報告数が増加する可能性が高い」とあり、今後の動向に注意が必要です。 |
A郡溶血性レンサ球菌咽頭炎 今後も注意を |
2005年にはいり、例年よりやや報告数が多い状況が持続していましたが、第20週に23件(定点当たり2.56)と過去5年間で最多の報告数となりました。今後の動向に注目を集めましたが第21週は大きく減少し9件、第22週も9件の報告に留まりました。
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手足口病 増加の兆しなし |
手足口病は、2000年に大流行しました。例年は3大夏風邪のひとつとして夏場に流行するのですが、2004年は、夏にあまり流行せず,涼しくなってから報告が増加しました。 |
ヘルパンギーナ 今後に注目! |
和歌山市では第20週8件、第21週10件、第22週8件の報告で、過去5年間の同時期と比較して特に多くはなく、横這いが続いています。しかし県内では新宮管内で7件(定点あたり3.50)の報告があり警報継続中となっています。 |
咽頭結膜熱 増加の兆しなし |
昨年早期に流行した「咽頭結膜熱」ですが、2005年は第1週以降2件から5件の報告で横ばい状況です。第22週は2件の報告でした。 |
マイコプラズマ肺炎 今後も注意 |
第13週以降報告のなかったマイコプラズマ肺炎でしたが、第18週で1件(定点当たり0.33)報告されて以来、第19・20週と続けて4件(定点当たり1.33)の報告があり、今後の動向が注目されましたが、第21週の報告はありませんでした。ですが、第22週で2件(定点当たり0.67)の報告があり、今後に注目が必要です。 |
風しんと先天性風しん症候群の予防について 小児科定点からの全国の「風しん」患者数は,2004年に一部の地域(群馬県,大分県,鹿児島県,宮城県,埼玉県など)で多く報告されました。全国3000の小児科定点医療機関から第20週243件,定点当り0.08人の報告で感染症法施行以降最高値となりました。 患者の年齢別では,2004年では以前と比較して10〜14歳及び20歳以上の割合が明らかに大きくなっています。これらは小児科定点からの報告であるため,実際の成人の風疹罹患数はより多い可能性があります。 一方,ワクチン未接種で罹患したこともない女性が妊娠初期に風疹に罹患したときにウィルスが胎児に感染し,出生児に「先天性風疹症候群」を起こすことがあります。この先天性風疹症候群は「感音性難聴」「白内障または緑内障」「心疾患」が3主徴で,通常妊娠第16週までに起ることが殆どです。 感染症法では,「先天性風しん症候群」は全数把握となっていますが,いままで1年に1例以内だったのが,2004では,第51週までで9例の報告がありました。和歌山市内で「先天性風疹症候群」の報告はありません。 また,「風疹」は,和歌山市内では,2004年1年間で計7件の報告でした。 非流行時から妊娠可能年齢の女性の積極的な予防接種が重要です。また,流行阻止のために,男女とも,ワクチン接種歴がなく,罹患もしていない人は,男女とも予防接種(任意接種)を受けることが望まれます。 なお,妊娠可能な女性については,ワクチン接種後2か月間の避妊が必要です。 |
感染症対策で最も有効な予防法は予防接種です。 麻しんや風しんの予防接種は,いずれも満1歳〜満7歳6か月になるまでの間にかかりつけ医で接種できます。 麻疹の予防接種の標準接種月齢(=最も適切な接種時期)は,「生後12月から15月(満1歳3か月)」です。麻しんは1歳ごろがもっとも罹患しやすく,かつ重症になるため、満1歳になったら,できるだけ早い時期に予防接種を受けましょう。 和歌山市の1歳6か月児健診及び3歳児健診を受診された子どもさんの予防接種実施状況をみますと,麻しんでは,1歳6か月で約80%,3歳6か月で92%。風疹では1歳6か月で約42%,3歳6か月で79%のお子さんが接種済みとなっています。 麻しん・風しんの流行防止及び先天性風疹症候群を発生防止のため,今後,さらに早期接種の徹底を推進したいと思います。 「お誕生日を迎えたら,かかりつけ医で麻しんの予防接種をうけましょう!」 「麻しん」の予防接種の後は,引き続き「風しん」の予防接種をうけましょう! また,7歳6か月を過ぎた方でまだ予防接種を受けていない人では,任意接種(有料)になりますが,大きくなってから罹患することを予防するためにも接種することをお勧めします。かかりつけ医にご相談ください。 |