和歌山市感染症情報センター

Wakayama City Infectious Disease Surveilance Center


今注目の感染症!    【5類感染症】  第17週(4月25日〜5月1日)
 


 しばらくめだった流行がない状況でしたが,第17週では「感染性胃腸炎」が急増しています。今後の動向に注意が必要です。
 「風疹」は第16週に今年初めて1件(9歳)報告されましたが,第17週は報告なしでした。
 県内では,岩出管内で「咽頭結膜熱」が警報発令。田辺管内で「水痘」が注意報発令されています。




  「 感染性胃腸炎」再び急増! 要注意!

 2004年第50週以降に急増し,第52週293件とピークを迎え,以降,第53週244件,2005年では、第1週以降130〜160件で流行が持続しました。第8週以降110件前後にやや減少したものの横ばい状況で警報が継続発令されていましたが,第12週は87件に減少し,ようやく警報は解除されました。 以降第13週は68件,第14週は67件,第15週は64件と漸減し,昨年の同時期よりも少なくなっていました。
  しかし,第16週には90件とやや増加し,第17週は162件と今年最大の報告数となりました。今後の動向に注意が必要です。
  年齢別報告数では,年少幼児に集中しています。10-14歳まで報告が見られていますが,おとなでの報告はありません。
  ゴールデンウィークも明けました。体調の崩れやすいこの時期,まずは生活リズムを整えましょう。


和歌山市における感染性胃腸炎 の流行状況
 




 水痘(みずぼうそう)   例年なみ!

 2005年第1週から第3週まで横ばい状況で警報が継続発令されていましたが,第5週で29件に減少,以降漸減してきています。第15週は15件,第16週は16件でした。
 年齢別の報告数をみますと,殆どが就学前の年少乳幼児です。
 県内では,田辺管内で,23件(定点当たり5.75)で注意報発令です。

和歌山市における水痘の流行状況

水痘年齢別報告数(第1週)



  手足口病  増加の兆しなし

 手足口病は,2000年に大流行しました。例年は3大夏風邪のひとつとして夏場に流行するのですが,2004年は,夏にあまり流行せず,涼しくなってから報告が増加しました。
  2005年では,第11週・第12週に17件と同数で,やや増加の傾向でしたが,第13週以降漸減しています。第17週は3件と少な目です。

和歌山市における手足口病の流行状況



  流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)  めだった動きなし

 和歌山市では,第1週以降,10件前後で増減しています。 今のところ,流行の兆しはみられていません。第17週は10件で,年齢別では,1歳から7歳でした。
 県内でも,いずれも管内でも報告数が減少し,注意報及び警報は全て解除されています。
 第15週IDWRでは,「約4年ごとに増える傾向がみられている。2005年には報告数が増加する可能性が高い・・・」とされています。

和歌山市における流行性耳下腺炎の流行状況



  A郡溶血性レンサ球菌咽頭炎    めだった動きはなし!

 2005年にはいり,例年よりやや報告数が多い状況がつづいていましたが,第12週・第13週は5件に減少,今のところめだった動きはみられていません。

和歌山市におけるA郡溶血性レンサ球菌咽頭炎の流行状況



  咽頭結膜熱
 昨年早期に流行した「咽頭結膜熱」ですが,2005年は第1週以降2件から5件の報告で横ばい状況です。第16週は報告なしでした。
 流行状況は,下図のとおりです
和歌山市における咽頭結膜熱の流行状況



  ヘルパンギーナ  増加の兆しなし

第15週IDWRより,「定点当り報告数は,第12週以降増加が続いており,過去5年間の同時期と比較してかなり多い。」 和歌山市では,2件のみの報告で,今のところ増加の兆しが見られていません。県内いずれも同様です。



  咽頭結膜熱  増加の兆しなし

昨年早期に流行した「咽頭結膜熱」ですが,2005年は第1週以降2件から5件の報告で横ばい状況です。第16週・第17週とも報告なしでした。流行状況は,下図のとおりです。

和歌山市における咽頭結膜熱の流行状況



  マイコプラズマ肺炎

 第15週IDWRより,「マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は,過去5年間の同時期と比較してかなり多い。都道府県別では,岡山県(3.0),山口県(1.67),石川県(1.20),群馬県(1.20)が多い」・・・とのことです。
  和歌山市では,第12週で1件(定点当たり0.33)の報告がありました。年齢は1歳児でした。第13週以降は報告ありません。



  インフルエンザ  終息しました!

 例年と比較して遅い立ち上がりで流行し,第8週に614件の報告があり,警報が発令されました。ピークは,第9週の792件,第10週の785件で,以降,毎週ほぼ半減し,第13週では146件に減少,警報は解除されました。第16週では6件のみでした。
  県内でも,いずれも報告数は減少し,第14週には全県で警報は解除されました。
  第15週IDWR 病原体情報より,「2004/2005シーズンは,B型の分離・検出が最も多く,2,761件,AH3型は1,772件で,AH1型は171件の分離・検出となっています。」

和歌山市における咽頭結膜熱の流行状況



風しんと先天性風しん症候群の予防について

小児科定点からの全国の「風しん」患者数は,2004年に一部の地域(群馬県,大分県,鹿児島県,宮城県,埼玉県など)で多く報告されました。全国3000の小児科定点医療機関から第20週243件,定点当り0.08人の報告で感染症法施行以降最高値となりました。 
 患者の年齢別では,2004年では以前と比較して10〜14歳及び20歳以上の割合が明らかに大きくなっています。これらは小児科定点からの報告であるため,実際の成人の風疹罹患数はより多い可能性があります。 
 一方,ワクチン未接種で罹患したこともない女性が妊娠初期に風疹に罹患したときにウィルスが胎児に感染し,出生児に「先天性風疹症候群」を起こすことがあります。この先天性風疹症候群は「感音性難聴」「白内障または緑内障」「心疾患」が3主徴で,通常妊娠第16週までに起ることが殆どです。 
 感染症法では,「先天性風しん症候群」は全数把握となっていますが,いままで1年に1例以内だったのが,2004では,第51週までで9例の報告がありました。和歌山市内で「先天性風疹症候群」の報告はありません。 
 また,「風疹」は,和歌山市内では,2004年1年間で計7件の報告でした。
 非流行時から妊娠可能年齢の女性の積極的な予防接種が重要です。また,流行阻止のために,男女とも,ワクチン接種歴がなく,罹患もしていない人は,男女とも予防接種(任意接種)を受けることが望まれます。
 
 なお,妊娠可能な女性については,ワクチン接種後2か月間の避妊が必要です。



Stop 麻しん・風しん = 「予防接種」は最も有効で積極的な予防法!!

 感染症対策で最も有効な予防法は予防接種です。 麻しんや風しんの予防接種は,いずれも満1歳〜満7歳6か月になるまでの間にかかりつけ医で接種できます。

 麻疹の予防接種の標準接種月齢(=最も適切な接種時期)は,「生後12月から15月(満1歳3か月)」です。麻しんは1歳ごろがもっとも罹患しやすく,かつ重症になるため、満1歳になったら,できるだけ早い時期に予防接種を受けましょう。

 和歌山市の1歳6か月児健診及び3歳児健診を受診された子どもさんの予防接種実施状況をみますと,麻しんでは,1歳6か月で約80%,3歳6か月で92%。風疹では1歳6か月で約42%,3歳6か月で79%のお子さんが接種済みとなっています。
 麻しん・風しんの流行防止及び先天性風疹症候群を発生防止のため,今後,さらに早期接種の徹底を推進したいと思います。

「お誕生日を迎えたら,かかりつけ医で麻しんの予防接種をうけましょう!」
「麻しん」の予防接種の後は,引き続き「風しん」の予防接種をうけましょう!

 また,7歳6か月を過ぎた方でまだ予防接種を受けていない人では,任意接種(有料)になりますが,大きくなってから罹患することを予防するためにも接種することをお勧めします。かかりつけ医にご相談ください。



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