【5類感染症】 第14週(4月4日〜4月10日) |
「インフルエンザ」 流行終息! 警報解除! 「感染性胃腸炎」 報告数減少 ただし,高齢者施設においてノロウィルスによる集団感染事例の報告あり,要注意! |
インフルエンザ 急増中! 警報発令! 流行のピーク過ぎる! |
例年と比較して遅い立ち上がりで流行し,第8週に614件の報告があり,警報が発令されました。ピークは,第9週の792件,第10週の785件で,以降,毎週ほぼ半減し,第13週では146件に減少,警報は解除されました。第14週は更に減少して58件のみでした。 県内でも,いずれも報告数は減少し,全県で警報は解除されました。 第12週IDWR 病原体情報より,2004/2005シーズンは,B型の分離・検出が最も多く,2,214件,AH3型は1,315件で,AH1型は158件の分離・検出となっています。 第14週の年齢別報告数では,乳児から高齢者まで幅広い年齢で報告されています。 |
「感染性胃腸炎」 ゆっくり減少し,警報は解除! |
冬場に流行する感染性胃腸炎の流行状況は,下図のとおりです。 2004年第50週以降に急増し,第52週293件とピークを迎え,以降,第53週244件,2005年では、第1週以降130〜160件で流行が持続しました。第8週以降110件前後にやや減少したものの横ばい状況で警報が継続発令されていましたが,第12週は87件に減少し,ようやく警報は解除されました。 第13週は68件,第14週は67件で,昨年の同時期よりも少なくなっています。 今年は,高齢者施設(特別養護老人ホーム・介護老人保健施設)や医療機関等で集団感染事例が引き続き発生しました。 また,第13週のサーベイの報告数は減少しましたが,第13週に発症した患者を初発とする集団感染事例が新たに1件発生しました。いずれもノロウィルスが検出されています。殆どがGU型です。また,保育所等では,ロタウィルス感染症もみられました。 第12週のIDWR病原体検出情報でも,感染性胃腸炎関連ウィルスとしては,ノロウイルスが最も多く1、451件が報告されています。特にノロウイルスGUの検出が多く1、169件報告されています。ロタウィルスは,231件で,A群が227件,C群が2件検出されています。 年齢別では,幼児が中心ですが,小学生,中学生,おとなまで幅広い年齢で報告されています。 |
水痘(みずぼうそう) |
水痘は年によって流行の時期がかなり大きく変動しています。 2005年第1週から第3週まで横ばい状況で警報が継続発令されていましたが,第5週で29件に減少,以降漸減してきています。第12週で12件,第13週で19件,第18週18件とやや増加傾向です。 年齢別の報告数をみますと,殆どが就学前の年少乳幼児ですが,年長者での報告もあります。
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手足口病 |
手足口病は,2000年に大流行しました。例年は3大夏風邪のひとつとして夏場に流行するのですが,2004年は,夏にあまり流行せず,涼しくなってから報告が増加しました。 2005年では,第1週以降4件から11件で、第11週・第12週は17件と同数で,やや増加の傾向でしたが,第13週は11件,第14週4件で減少です。 年齢別では, 1歳1件,3歳1件,4歳1件,5歳1件でした。 |
流行性耳下腺炎(おたふくかぜ) |
和歌山市では,第1週以降,報告数は増減しつつ,徐々に減少傾向です。第14週は13件でした。 県内では,御坊管内で,第12週8件(定点当り4.00)から第13週12件とさらに増加し,警報継続発令されました。第14週は11件で横ばいです。また,海南・新宮管内の注意報は解除されています。 年齢別では,3歳3件,4歳2件,5歳3件,7歳3件,8歳1件,9歳1件でした。 |
A郡溶血性レンサ球菌咽頭炎 やや増加中! |
2005年にはいり,やや報告数が多い状況がつづいていましたが,第12週・第13週は5件に減少,第14週は8件でやや増加でした。 |
咽頭結膜熱 |
2005年第1週以降2件から5件の報告で横ばい状況です。 流行状況は,下図のとおりです。 |
マイコプラズマ肺炎 |
第10週IDWRより,・・・マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は横ばいであったが,過去5年間の同時期と比較してかなり多い。都道府県別では,岡山県(2.2),山口県(1.4),福島県(1.1)が多い・・・とのことです。 和歌山市では,第12週で1件(定点当たり0.33)の報告がありました。年齢は1歳児でした。第13週・第14週は報告なしでした。 |
患者の年齢別では,2004年では以前と比較して10~14歳及び20歳以上の割合が明らかに大きくなっています。これらは小児科定点からの報告であるため,実際の成人の風疹罹患数はより多い可能性があります。 一方,ワクチン未接種で罹患したこともない女性が妊娠初期に風疹に罹患したときにウィルスが胎児に感染し,出生児に「先天性風疹症候群」を起こすことがあります。この先天性風疹症候群は「感音性難聴」「白内障または緑内障」「心疾患」が3主徴で,通常妊娠第16週までに起ることが殆どです。 感染症法では,「先天性風しん症候群」は全数把握となっていますが,いままで1年に1例以内だったのが,2004では,第51週までで9例の報告がありました。和歌山市内で「先天性風疹症候群」の報告はありません。 また,「風疹」は,和歌山市内では,2004年1年間で計7件の報告でした。 非流行時から妊娠可能年齢の女性の積極的な予防接種が重要です。また,流行阻止のために,男女とも,ワクチン接種歴がなく,罹患もしていない人は,男女とも予防接種(任意接種)を受けることが望まれます。 なお,妊娠可能な女性については,ワクチン接種後2か月間の避妊が必要です。 |
感染症対策で最も有効な予防法は予防接種です。 麻しんや風しんの予防接種は,いずれも満1歳〜満7歳6か月になるまでの間にかかりつけ医で接種できます。 麻疹の予防接種の標準接種月齢(=最も適切な接種時期)は,「生後12月から15月(満1歳3か月)」です。麻しんは1歳ごろがもっとも罹患しやすく,かつ重症になるため、満1歳になったら,できるだけ早い時期に予防接種を受けましょう。 和歌山市の1歳6か月児健診及び3歳児健診を受診された子どもさんの予防接種実施状況をみますと,麻しんでは,1歳6か月で約80%,3歳6か月で92%。風疹では1歳6か月で約42%,3歳6か月で79%のお子さんが接種済みとなっています。 麻しん・風しんの流行防止及び先天性風疹症候群を発生防止のため,今後,さらに早期接種の徹底を推進したいと思います。 「お誕生日を迎えたら,かかりつけ医で麻しんの予防接種をうけましょう!」 「麻しん」の予防接種の後は,引き続き「風しん」の予防接種をうけましょう! また,7歳6か月を過ぎた方でまだ予防接種を受けていない人では,任意接種(有料)になりますが,大きくなってから罹患することを予防するためにも接種することをお勧めします。かかりつけ医にご相談ください。 |