和歌山市感染症情報センター

Wakayama City Infectious Disease Surveilance Center


今注目の感染症!    【5類感染症】  第10週(3月7日〜3月13日)
 


 「インフルエンザ」 流行中! 警報継続発令中! 報告数は頭打ち
 「感染性胃腸炎」 徐々に減少しつつも,警報継続発令中! 新たに集団感染事例の報告もあり!



  インフルエンザ 急増中! 警報発令! 学級閉鎖相次ぐ!

 例年と比較して遅い立ち上げりですが,第6週208件(定点当り13.87)に急増し注意報が発令。第7週では331件(定点当り22.07),第8週614件と倍増し,警報が発令されました。第9週さらに増加し792件,第10週は785件でほぼ同数の報告です。市内の小学校で集団風邪による学級閉鎖がつづいています。
  県内では,海南管内で注意報,海南を除く全ての管内で警報発令となっています!
  「手洗い,うがいの励行」「外出時のマスク着用」「規則正しい生活」に心がけ,不用な人ごみへの外出は控えましょう。また,早期発見,早期治療が重要です。急激な発熱・全身倦怠感・咳等の呼吸器症状があるときには早期に医療機関を受診しましょう。
  第8週IDWR 病原体情報では,B型の新たな報告が多く,すでに1005件の分離・検出が報告されています。 また,インフルエンザウィルスAH3型は602件,AH1型は110件の分離・検出が報告されています。
  年齢別報告数では,乳児から高齢者まで幅広い年齢で報告されています。


インフルエンザ年齢別報告




  感染性胃腸炎   流行中! 警報継続発令 !

 冬場に流行する感染性胃腸炎の流行状況は,下図のとおりです。
  2004年第50週以降に急増し,第52週293件とピークを迎え,以降,第53週244件,2005年では、第1週以降130〜160件で流行が継続しています。第8週,第9週は114件と同数,第10週で109件と徐々に減少傾向をしめしています。県内では,和歌山市のみ警報継続発令されています。
  高齢者施設(特別養護老人ホーム・介護老人保健施設)や医療機関等で集団感染事例もでており,いずれもノロウィルスが検出されています。殆どがGU型です。今後も,まだしばらく流行が続くことも予測されますので,注意が必要です。
  第8週のIDWR病原体検出情報でも,感染性胃腸炎関連ウィルスとしては,ノロウイルスが最も多く,1023件が報告されています。特にノロウイルスGUの検出が多く807件報告されています。ロタウィルスは,113件で,A群が111件,C群が2件検出されています。嘔吐・下痢症状が続く場合には,脱水にならないよう,点滴等の処置が必要な場合がありますので,早めに医療機関を受診しましょう。

和歌山市における感染性胃腸炎 の流行状況

 年齢別では,幼児が中心ですが,小学生,中学生,おとなまで幅広い年齢で報告されています。

感染性胃腸炎年齢別報告数(第1週)



 水痘(みずぼうそう)

 水痘は年によって流行の時期がかなり大きく変動しています。
  2005年第1週から第3週まで横ばい状況で警報が継続発令されていましたが,第5週で29件に減少,以降漸減し,第10週では16件に減少しました。
  年齢別の報告数をみますと,殆どが就学前の年少乳幼児ですが,年長者での報告もあります。

和歌山市における水痘の流行状況

水痘年齢別報告数(第1週)




  手足口病

 手足口病は,2000年に大流行しました。例年は3大夏風邪のひとつとして夏場に流行するのですが,2004年は,夏にあまり流行せず,涼しくなってから報告が増加しました。10月に入り第41週で14件,以降徐々に増加し,第48週では49件と増加し警報が発令され,第52週まで警報が継続発令されていました。
  2005年では,第1週以降4件から11件の報告となっています。警報は解除されています。
  年齢別では,1歳4件,2歳3件,3歳1件,4歳2件,5歳1件でした。

和歌山市における手足口病の流行状況



  流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)

  和歌山市では,第1週以降8件から15件の報告が,第9週3件に減少,第10週も4件でした。
  県内でも,すべての管内で注意報,警報とも解除されています。
  年齢別では,6―12か月1件,3歳2件,4歳1件です。

和歌山市における流行性耳下腺炎の流行状況



  A郡溶血性レンサ球菌咽頭炎    やや増加中!

  2004年から2005年にかけてやや報告数が多い状況がつづいています。
  2005年第5週以降10件から20件の間で増減しています。
  県内でも全ての管内で注意報・警報は発令されていません。

和歌山市におけるA郡溶血性レンサ球菌咽頭炎の流行状況

A郡溶血性レンサ球菌年齢別報告数

 



  咽頭結膜熱

  2005年第1週以降2件から5件の報告で横ばい状況です。
  流行状況は,下図のとおりです。

和歌山市における咽頭結膜熱の流行状況



風しんと先天性風しん症候群の予防について
 小児科定点からの全国の「風しん」患者数は,2004年に一部の地域(群馬県,大分県,鹿児島県,宮城県,埼玉県など)で多く報告されました。全国3000の小児科定点医療機関から第20週243件,定点当り0.08人の報告で感染症法施行以降最高値となりました。
  患者の年齢別では,2004年では以前と比較して10~14歳及び20歳以上の割合が明らかに大きくなっています。これらは小児科定点からの報告であるため,実際の成人の風疹罹患数はより多い可能性があります。
  一方,ワクチン未接種で罹患したこともない女性が妊娠初期に風疹に罹患したときにウィルスが胎児に感染し,出生児に「先天性風疹症候群」を起こすことがあります。この先天性風疹症候群は「感音性難聴」「白内障または緑内障」「心疾患」が3主徴で,通常妊娠第16週までに起ることが殆どです。
  感染症法では,「先天性風しん症候群」は全数把握となっていますが,いままで1年に1例以内だったのが,2004では,第51週までで9例の報告がありました。和歌山市内で「先天性風疹症候群」の報告はありません。

 また,「風疹」は,和歌山市内では,2004年1年間で計7件の報告でした。
  非流行時から妊娠可能年齢の女性の積極的な予防接種が重要です。また,流行阻止のために,男女とも,ワクチン接種歴がなく,罹患もしていない人は,男女とも予防接種(任意接種)を受けることが望まれます。なお,妊娠可能な女性については,ワクチン接種後2か月間の避妊が必要です。



Stop 麻しん・風しん = 「予防接種」は最も有効で積極的な予防法!!

 感染症対策で最も有効な予防法は予防接種です。 麻しんや風しんの予防接種は,いずれも満1歳〜満7歳6か月になるまでの間にかかりつけ医で接種できます。

  麻疹の予防接種の標準接種月齢(=最も適切な接種時期)は,「生後12月から15月(満1歳3か月)」です。麻しんは1歳ごろがもっとも罹患しやすく,かつ重症になるため、満1歳になったら,できるだけ早い時期に予防接種を受けましょう。

  和歌山市の1歳6か月児健診及び3歳児健診を受診された子どもさんの予防接種実施状況をみますと,麻しんでは,1歳6か月で約80%,3歳6か月で92%。風疹では1歳6か月で約42%,3歳6か月で79%のお子さんが接種済みとなっています。
  麻しん・風しんの流行防止及び先天性風疹症候群を発生防止のため,今後,さらに早期接種の徹底を推進したいと思います。

   「お誕生日を迎えたら,かかりつけ医で麻しんの予防接種をうけましょう!」
   「麻しん」の予防接種の後は,引き続き「風しん」の予防接種をうけましょう!

  また,7歳6か月を過ぎた方でまだ予防接種を受けていない人では,任意接種(有料)になりますが,大きくなってから罹患することを予防するためにも接種することをお勧めします。かかりつけ医にご相談ください。




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